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インフルエンザB型報告数が増加、3月中旬が流行のピーク

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今年2月15日の段階で、インフルエンザウイルスの分離報告数はA-H1N1型(Aソ連型)が1576件(56.1%)と最も多く、続いてA-H3N2型(A香港型)の898件(32.0%)が続いた。B型は335件で、総分離報告数の11.9%に過ぎなかった。
 しかし、3月15日時点のインフルエンザウイルス総分離報告数は4671件で、このうちB型は761件。全体の16.3%を占めている=グラフ=。
 
 インフルエンザは今シーズン、全国約5000か所ある定点医療機関当たりの患者報告数が、今年の第4週(1月19-25日)に37.45(患者発生報告数17万8991人)となり、流行のピークを迎えていた。その後、患者報告数は減少し、第8週(2月16-22日)には定点当たり報告数は12.05に。だが第9週(2月23日-3月1日)には再度増加に転じ、第11週には定点当たり報告数は16.50となっていた。第12週(3月16-22日)の定点当たり報告数は15.63で、再度減少している。
 同センターでは、第4週をピークとする最初の流行では、主にA-H1N1型が流行し、第11週をピークとする流行では、B型が流行の中心になったと見ている。

「若年性認知症」 厚生労働省

65歳未満で認知症を発症する「若年性認知症」の患者数は、全国3万7,750人
と推計されることが厚生労働省研究班の実態調査で分かりました。
 推定発症年齢の平均は51.3歳で、男性が51.1歳、女性が51.6歳でした。
 また、18-64歳人口10万人当たりの患者数は47.6人で男性は57.8人、女性は
36.7人と男性の方が上回っていました。
 基礎疾患としては、脳血管性認知症(39.8%)、アルツハイマー病(25.4%)、
頭部外傷後遺症(7.7%)、前頭側頭葉変性症(3.7%)、アルコール性認知症
(3.5%)、レビー小体型認知症(3.0%)の順でした。
 この調査は、今後の若年性認知症に対する施策の基礎データを構築するため、
平成18年度から平成20年度の3年間において、全国レベルでの疫学的な実態や、
当事者と家族が抱える問題を明らかにする調査を実施したものです。

経鼻内視鏡による食道・胃癌発見率は経口内視鏡と遜色なし【胃癌学会2009】

経鼻内視鏡による食道・胃癌の発見率は、経口内視鏡による発見率と差がないことが明らかになった。東京医科大学病院内視鏡センターの河合隆氏が、第81回日本胃癌学会総会で発表した。

 対象は、2005年1月から2007年12月までに経鼻内視鏡検査を行った1170人と、経口内視鏡検査を行った1万3867人。経鼻内視鏡検査で早期胃癌が見つかったのは14人で1.28%、経口内視鏡検査で早期胃癌が見つかったのは167人で1.20%と、発見率に差はみられなかった。また、見つかった胃癌のタイプを調べても、経鼻内視鏡群では経口内視鏡群に比べ、ややIIa型が少なくIIc型が多かったものの、明らかな差はみられなかった。食道癌についても、経鼻内視鏡検査で見つかったのは3人で0.26%、経口内視鏡検査で見つかったのは38人で0.27%と、発見率に差はみられなかった。

 河合氏は、「経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べて細径であることから、診断が不十分になるのではないかと指摘されてきたが、近接して色素散布などを適切に併用しながら、ゆっくり、しっかりと粘膜面を観察するように心がければ、癌の有無を診断する点において問題はないと考えられる。ただ、送気量が不十分になりがちなので、癌の広がりや深さをどこまで正確に判断できるか、質的診断における役割については今後の研究が必要だろう」と話した。

急性心筋梗塞後も3人に1人はたばこを吸っている

急性心筋梗塞既往のメタボリックシンドローム患者が禁煙すると心血管
イベントリスクが57%低下する可能性が示された。しかし、心筋梗塞後も喫
煙を続ける患者は喫煙者の3分の1に達し、持続喫煙者の長期予後は、
心筋梗塞後禁煙者と比較して冠動脈イベントの発症率が高いことも示された。

ダイエットの種類は減量の成否に影響しない

近年、低炭水化物/高たんぱく質食、地中海ダイエットなど、様々な食事療法の有効性が検討されている。しかし、米国Harvard公衆衛生大学院のFrank M. Sacks氏らが行った2年間の無作為化試験の結果、食事を構成する3大栄養素の割合がどうであれ、摂取熱量が同じであれば減量効果は同じであり、心血管危険因子や糖尿病危険因子の改善レベルにも差はないことが明らかになった。詳細は、NEJM誌2009年2月26日号に報告された。

 これまで、低炭水化物/高たんぱく質食、高炭水化物/低脂肪食、超高炭水化物/超低脂肪ベジタリアン食や地中海ダイエットなど、様々な食事療法の有効性が比較されてきた。しかし、過体重や肥満の成人の減量において、どれが最も有効な食事療法なのかは明らかではなかった。

 また、こうした食事療法を比較した試験で継続期間が1年を超えた研究はほとんどなかった。通常、減量の効果は食事療法開始から6~12カ月で最大になり、その後、体重は緩やかに上昇する。したがって、1年を超えて効果を比較する必要があると著者らは考えた。
得られた結果は、摂取熱量を減らす食事療法は、どの栄養素に焦点を当てるかにかかわらず、臨床的に意味のある体重減少をもたらすことを示した。したがって、患者の好みに合わせて食事内容を決めることにより、食事療法の長期継続を目指すことが重要と考えられた。

肩こりに漢方+ツボ診察

肩こりを主訴に来院される患者さんは、そう多くはありませんが、何気ない日常の診察の中で患者さんに、「肩こりで困っていませんか?」と質問すると、多くの方が「はい、とても困っています」と答えます。癌のように命にかかわる病気ではないので、マスコミが大きく取り上げることもありませんが、本人にとっては悩ましい限りです。今回は、“陰の国民病”肩こりについてお話したいと思います。

 肩こりは、加齢に伴う首や肩周囲の筋力低下と、これらの筋肉を使用しないことで起こると考えられています。ですから、子供には起こらず、パソコンなどで仕事をする中年以降の事務職の方に多くみられます。やせていて(すなわち筋肉が少なく)、あまり運動をしない女性では若年でも悩む方が少なくありません。

 肩こりには、首筋がこるタイプと、首から肩と肩甲骨周囲がこるタイプがあります。前者には葛根湯(かっこんとう)、後者には柴胡(さいこ)剤が処方されます。このほか、やや、むくみがあり(水毒)、冷えを伴う肩こりには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が処方されます

障害者の居宅介護事業者、8割超で高齢者の訪問介護―東社協調査

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東京都社会福祉協議会はこのほど、都内での障害者福祉サービスの提供状況に関する調査結果を公表した。指定居宅介護事業者の8割超が、高齢者向けの訪問介護事業者の指定も同時に受けており、知的障害者や精神障害者へのサービス提供が困難な事業所もあることなどが分かった。

 調査は、東社協が昨年9月から10月にかけて、都内に1798か所ある指定居宅介護事業者に対して調査票を送付して実施。712か所から回答を得た。
 それによると、81.2%の事業者が、「障害者自立支援法に基づく指定居宅介護事業者」であると同時に、「介護保険法に基づく指定訪問介護事業者」だった。東社協では、「障害福祉サービスが不足する中で、高齢者の『訪問介護』を中心として提供している事業者が、障害者の『居宅介護』にも対応するという形態が少なくない」と分析している。

 また、「主たるサービス対象」として身体障害者と知的障害者、精神障害者、障害児のすべてを挙げている事業者は46.5%。身体障害者を挙げた事業所は89.9%あったが、知的障害者は72.6%、精神障害者は57.0%、障害児は66.3%だった。東社協では、精神障害者などを対象とする事業所が少ない理由について、「高齢者介護を中心に担っている事業所では、知的障害や精神障害に対応するノウハウが十分にないことが考えられる」としている。

 一方、ヘルパーの派遣実績のある事業者の「主たるサービス対象」を見ると、身体障害者88.3%、知的障害者56.7%、精神障害者42.3%、障害児55.5%。東社協では、「身体障害者を除くと、『主たるサービス対象』と派遣実績との開きが大きく見られる実情がある」と指摘している=グラフ=。

 さらに、ヘルパーの利用希望を断ったり、ヘルパーの利用に結び付かなかったりした事例を経験している事業者が7割超に上った。その理由としては、▽ヘルパー不足でサービスを拡大できない▽介護保険の訪問介護を中心に展開してきたため、知的障害や精神障害、障害児へのケアのノウハウがない▽サービスの提供に際して困難な事例が多い一方で、相談窓口が

転倒予防7か条

①歳々年々人同じからず
 ②転倒は結果である
 ③片足立ちを意識する
 ④転ばぬ先の杖
 ⑤無理なく楽しく30年
 ⑥命の水を大切に
 ⑦転んでも起きればいい
           東京大学大学院教育学研究科身体教育学 
                       武藤 芳照教授

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