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健康力を育む食生活のために

 こんな食べ方をしてませんか?
  テレビはスマホなどを見ながら食べをしていませんか?
  水やお茶など、飲み物が欠かせませんか?
  一度に多く口に入れませんか?
  まだ口の中にあるのに、次の食べ物を入れませんか?
  単一なメニューで毎食済ませていませんか
  頂きますで箸を置かずに食べ続けていませんか?

 よく噛んで食べて飲み込むようにしましょう。

高齢者も運動で筋肉量を増やそう

フレイルやサルコペニアは筋肉が減っていく、または筋肉のパフォーマンスが落ちている病態。その予防・改善にはタンパク質摂取と合わせて「運動」が重要です。運動には大きく分けて、散歩などの有酸素運動、筋肉に負荷をかける動作を繰り返し行うレジスタンス運動(筋トレ)、ストレッチング・体操がありますが、高齢者には難しいと思われがちな筋トレも、階段昇降や椅子立ち上がりなど工夫の仕方によっては十分実施が可能です。
 中でもおすすめは、腰を落とした四股(しこ)の姿勢。下半身(大腿部・臀部)の大きい筋肉と体幹のバランスを鍛えることができて転倒予防につながります。運動習慣は生活習慣病にも効果的です。

新型コロナウイルス感染症に負けない歯と口の健康づくり

新型コロナウイルス感染症(以下、Covid-19)の緊急事態宣言の間、国民の皆さまにおかれましては、不安な日々を過ごされたと思います。幸にして最初の流行期を乗り切ることができました。感染拡大防止には3つの密(密閉・密集・密接)の回避が有効だと思われます。ここではCovid-19の発症や重症化を予防する対処方略の一つとして、歯と口の健康維持の重要性を解説したいと思います。
 口腔清掃を怠ると細菌や毒性物質が上皮細胞を破壊します。これが日本人の8割が罹患している歯周病の始まりです。歯周病になると細菌や毒性物質が血管から全身に拡散します。米国の報告では、歯磨き停止試験で56%の若者がエンドトキシン血症※を発症しました。しかし、その後の口腔清掃により回復しています。別の報告では、歯周病患者は食品を噛むだけで最大で40%がエンドトキシン血症を起こしました。また、リンゴをかじるだけで血液培養で細菌が検出される病態である菌血症を発症する歯周病患者もいます。歯科疾患が原因で菌血症やエンドトキシン血症を発症している人に新型コロナウイルスが感染すると免疫暴走(サイトカインストーム)の危険性が増加します。
 また、唾液1mLあたり1億個の細菌が含まれていますので、唾液の誤嚥も肺炎(誤嚥性肺炎)に関係します。Covid-19の治療では抗生物質の投与も行われますが、副作用として腸管防御力が低下するのは避けられません。そのときに唾液の細菌が腸に定着すると腸管の変調による炎症拡大を招きます。
 以上をまとめると、歯と口の細菌や毒性物質は、循環器、呼吸器、消化器の3方向へ拡散し、ほぼすべての臓器に慢性炎症を起こします。平時ではそれが生活習慣病の危険因子ですが、緊急時では免疫暴走、細菌性肺炎あるいは敗血症(感染症による死亡につながる重大な臓器障害)の危険因子になります。そこで、国民の皆さまが歯と口の健康維持の重要性を理解し、菌血症とエンドトキシン血症を予防して、新型コロナウイルスの感染に備えることが大切です。

歯科医院狙う詐欺未遂 長岡で相次ぐ 団体職員名乗りブレーカー購入勧誘

電力会社の関連団体や企業の職員を名乗る人物が、配電盤などの点検を名目に訪れ、金をだまし取ろうとするケースが、新潟県長岡市内の歯科医院で相次いでいることが10日分かった。関係機関が注意を呼び掛けている。

 東北電気保安協会長岡事業所によると、7月中旬から8月上旬にかけて、少なくとも5件のトラブルを確認した。いずれも実在しない団体などの職員を名乗る人物が歯科医院を直接訪問。最終的にブレーカーの購入を勧誘するケースが多いという。

 市内のある歯科医院によると、7月下旬、電力会社の関連団体を名乗る人物から「配電盤の点検が必要」と電話があった。8月に入り、30~40代の小柄な男が医院を訪れ、10分ほど点検。「契約を変更すれば5000円ほど安くなる」とし、現在の契約内容を尋ねてきた。

 さらに必要のないブレーカーの設置を勧めてくるなど不審な点があったことから、職員がその場をやり過ごし、警察に通報した。

 東北電気保安協会新潟事業本部によると10日現在、同様の電話は長岡市外では確認されていない。長岡署は「不審な電話があったら警察に通報してほしい」と呼び掛けている。

高齢者が積極的に摂るべき栄養素とは?

フレイルやサルコペニアの予防・改善には栄養が必要
 健康を保つためには、さまざまな食品群の食品・食材を満遍なく食べることが大切です。しかし、高齢になると病気や加齢による食欲不振から食事量が減ったり、偏った食事になったりすることで、実は必要なエネルギーや栄養素を十分に摂れていないことが少なくありません。
 栄養不足は筋肉量が減少するサルコペニアの原因にもなり、サルコペニアによって基礎代謝量が低下し、エネルギー消費量が減れば、食欲や食事量も低下して低栄養となり、さらに活動度が落ちるという悪循環(フレイル・サイクル)へとつながります。要介護状態になるリスクを減らすためには栄養が必須なのです。

摂食障害の小児に多い精神疾患は

 米国のAdolescent Brain Cognitive Development研究のデータを用いて、摂食障害がある9-10歳の小児1万1718例に併存する精神疾患を検討した。

 その結果、摂食障害のある小児は、摂食障害のない小児と比較すると、精神疾患の同時発症が実質的に多かったが、大うつ病性障害または外傷後ストレス障害の診断を受けた小児との比較では同じ傾向は見られなかった。摂食障害のある小児で最も一般的な併存疾患は、不安症(71.4%)、注意欠陥/多動障害(47.9%)、秩序破壊的/衝動制御障害(45.0%)、気分障害(29.6%)、強迫性障害(28.8%)で、概ね既報と一致していた。

唾液で迅速に大腸がん検査 慶応大、短時間で高精度に

慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)の曽我朋義(そが・ともよし)教授らは3日までに、唾液による大腸がん検査について、多くの人から採取した検体を一度に測定する技術を開発したと発表した。精度も高い上、検査に要する時間が大幅に減り、手軽ながん診断へ期待がかかる。成果は国際的な分析化学誌電子版に掲載された。

 大腸がんなどの患者の唾液や尿からは、一般の人に比べ高濃度のポリアミンと呼ばれる成分が検出される。鶴岡市のベンチャー企業「サリバテック」が専用の検査キットを開発するなど、唾液中のポリアミン濃度からがんのリスクや有無を調べる方法は近年普及が進んでいる。

 従来は1検体ずつ10分以上かけて調べたが、新たな技術では40検体をまとめて40分で測定できる。1検体当たり1分で終了する計算だ。また大腸がん患者と健常者から採取したポリアミンを調べたところ、8割以上の精度で両者を区別できた。一般的な便潜血検査に比べ手間がかからず、精度も高いという。

 他に膵臓(すいぞう)がん、乳がん、口腔(こうくう)がんでも唾液中のポリアミン濃度が上昇することが分かっており、これらの検査にも応用できる可能性がある。

 今後、サリバテックへ技術を導入し、実用化と大幅なコスト削減を目指す。曽我教授は「安く検査できればがんの早期発見にもつながる」と期待する。

 注)分析化学誌は「ジャーナル・オブ・クロマトグラフィーA」

歯科医師によるワクチン接種

 延べ3,813人の歯科医師が5・6月に、延べ23万2,940人に対してワクチン接種を行なっている。日本歯科医師会の15日の定例記者会見で堀 会長と柳川副会長が報告したもので、47都道府県歯科医師会のうち、26歯科医師会が接種を行なっている現状を明かした。
 
 堀 会長は、Eシステムを活用したワクチン接種の事前研修の受講者が13日時点で1万8,045人と説明し、「予想をはるかに超えた数で、全国の歯科医師の強い使命感の発露と受け止め、感謝申し上げる」と述べた。さらにワクチン接種に携わった数などについて報告した総理、官房長官、厚労大臣などから感謝の言葉があったと紹介した。

 柳川副会長は、Eシステムを使った事前研修の受講者のうち、約6,800人が初めてEシステムを使った人とわかったと言及。ITが苦手などの理由でEシステムを使ってこなかった会員もいるとの認識を示し、「国難にあってワクチン接種が必要だと使命感に燃えて受けたことを強く感じた」と強調した。

【歯科通信】

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