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毎年の歯科健診義務検討へ 骨太方針、医療費抑制で

政府が6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に、全ての国民に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」の導入に向けた検討をする内容を盛り込むことが30日、関係者への取材で分かった。丈夫な歯を守ることで他の病気の誘発防止や健康維持に取り組み、医療費抑制につなげる。

 厚生労働省と日本歯科医師会(日歯)は食生活などに影響が出ないよう、日々のケアをすることで80歳で自分の歯を20本以上保つ「8020運動」などを進めてきた。歯が多く残っている方が健康を維持しやすいことが明らかになっているという。

 厚労省の2016年歯科疾患実態調査によると、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合は51・2%で、11年調査の40・2%から11ポイント増加した。

 厚労省によると、虫歯や歯周病などの早期発見に向け、歯科健診を現在義務付けているのは1歳半と3歳の子供、小中高生への毎年の学校健診など。健康増進法に基づき自治体が40歳から10年ごとに対象者に実施する健診もある。