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頭頸部がん「光免疫」新治療開始 浜松医大病院、体の負担軽く

浜松医科大付属病院(浜松市東区)は4月から、口やのど、鼻など頭頸部(とうけいぶ)にできるがんに対応した新しい治療法「頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)」を開始した。県内の医療機関では初めての実施で、患者の治療の選択肢が広がることが期待される。

 治療の対象は口腔(こうくう)、咽頭、鼻腔(びくう)、喉頭などのがん患者。手術や放射線治療といった標準的治療では切除不能だったり、治療後に再発が確認されたりと一定の要件を満たす必要がある。

 がん細胞表面のタンパク質と結合し、光に反応する性質を持つ抗体入り薬剤を点滴で投与した後、患部に近赤外線レーザーを当て、がん細胞を破壊する。副作用防止のために実施後の約1カ月間は直射日光を浴びないように注意しなければならないが、高齢患者らの体の負担が比較的少ない。

 同病院では、4月20日に耳鼻咽喉科の三沢清教授、望月大極助教らが舌がんの80代患者に同治療を実施した。時間の経過とともにがん細胞が死滅し始めた様子が確認できたという。

 頭頸部がんは、国内で年間約2万8千人が発症するとされ、食事や会話など日常生活への影響も大きい。三沢教授は「治療の新たな選択肢の一つとして、今後も患者さんにしっかりと提供していきたい」と話している。