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虫歯治療で2歳死亡、業過致死罪の元院長が無罪主張 検察は禁錮求刑

福岡県の歯科診療所(現在は閉鎖)で20〇〇年、虫歯治療で麻酔を注射された幼児(当時2)が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元院長で歯科医師の論告求刑公判が28日、福岡地裁であった。検察側は「歯科医師としての基本的な注意義務を怠った」として禁錮2年を求刑し、弁護側は無罪を主張して結審した。判決は3月25日。

歯科技工士を魅力ある職種に  ― 千葉県歯がシンポジウム

ここ20年で歯科技工士養成機関は3分の2に、入学者数は3分の1に減少し、求人倍率が上昇しているものの、20代の離職が多く、30歳で続けているのはわずか4%。10年後には歯科技工士数は現在の4割となる可能性も示唆されている。

 そんな歯科技工士が魅力のある職種になるにはどうすれば良いのかを模索するシンポジウムが、2月1日から3月31日まで千葉県歯科医師会の歯科技工士研修プログラムのサイト上でオンデマンド配信されている。

 現状を改善するためには行政、歯科医師会、歯科技工士会、医療連携をしている関係者、メディア、政治家などあらゆる人の力が必要との認識が示された。


【歯科通信】

新型コロナワクチン接種前後の外科処置にご注意ください

患者の新型コロナウイルスワクチン接種日と外科処置に関して、日本口腔外科学会より以下の見解が示されています。
 患者には抜歯の予約時・当日の問診時にワクチン接種日を確認するようご注意ください。

 ワクチン接種前:抜歯後1週間経過してからのワクチン接種が望ましい
 ワクチン接種後:3日以上経過して副反応が軽度であれば抜歯などが可能

※歯周外科等も準じていただきたいと思います。さらに侵襲がある外科処置は歯科医師の判断で期間の延長をご検討ください。

※現時点では明確なエビデンスに基づいた基準はなく、それぞれの歯科医師が判断することが大切です。
今後、厚生労働省からの見解が出た場合やmRNA以外のワクチンの場合には、変更する可能性があります。

参考資料 日本口腔外科学会

経鼻内視鏡の際に「鎮静しない」は47.3%(2022/2/22 訂正)

経鼻内視鏡検査は、従来の経口内視鏡と比べて痛みや苦痛が少なく、鎮静剤の使用は必要ないとされている。m3.com意識調査で、経鼻内視鏡検査の際に鎮静を行っているかどうか毎月検査を施行している会員医師296人に尋ねたところ、全例に行っている、患者の希望があれば行うなど、何らかの形で鎮静を行っているのは約4割に上った一方、47.3%が実施していなかった。

「なぜ顔は前を向いている?」生物進化を"口"の発達から考えてみた(後編) 「食う」機能のみならず、審美的効果も

ごはんをお腹いっぱい食べたい!——太古の昔から、生物は命をつなぐエネルギーの吸収が最重要課題でした。膜を通して吸収するより効率良い吸収方法、つまり体の前端に取り入れ口を設けたのです。この時、「顔」の歴史は幕を開けたのでした。

 やがて、入れるばかりの穴は、咀嚼機能を獲得し、食性の変化とともに、「顔」として複雑に変化していきました。今回は、顔のオリジナル構造ともいえる口を中心に、「顔」のできる過程をみていきたいと思います。(前編はこちら)

 哺乳類では、歯が切歯・犬歯・前(小)臼歯・後(大)臼歯と機能ごとに分化した「異形歯性」のため、とくに臼歯によって「細かく噛み砕く」ことができるようになった。これは硬く繊維質の多い食物を消化しやすくする効果がある。

 その結果、食いちぎった硬い食物をゆっくり噛んで、唾液も混ぜて消化しやすくなった。つまり、エネルギー生産の能率がよくなったのだ。そのことが、体毛の発達と合わさって、体温を高く保ち、活発な行動や、寒冷環境で棲むことを可能にしたのである。

 さらに、歯と顎骨の間には、前述した歯根膜ができて、歯に加わる強い衝撃を吸収するとともに、神経分布が密になることで微妙な圧力を感じて、咀嚼力を調整している。自分の歯をそっと触ってみると、いかに歯根膜が敏感かわかる。

 ただし、哺乳類の歯は、乳歯から永久歯へと1回しか生え替わらない「二生歯性」となったので、歯は大事にしないといけなくなった。

 哺乳類がエネルギーの生産能率を高め、生存環境を広げることになった口の機能発達は、異形歯性のためばかりではない。歯と密接に連動する、ある構造が関与している。

歯科医院での定期的な検診は必須!

自分だけで口の中を守り抜くことは、とても難しいことです。
かかりつけ歯科医院で、信頼できる歯科衛生士さんに
お口の健康管理をしてもらうことは、とても効果があります。
むし歯、歯周病があると、お口の細菌は常に増え続けてしまいます。
お口を守るためにする行動は、結果として、からだを守ることにつながっていきます。

新型コロナウイルス感染症をはじめとする、多くの感染症予防の対策として、
手洗いとガラガラうがいのついでに「ブクブクうがい」をぜひ追加してください。

お口の清潔を中心とした感染予防-効果的なブクブクうがいの方法

では、具体的にお口の衛生管理として、
どのようなことに心がければいいかをまとめてみます。

1、うがいと歯磨きの徹底
2、マスクでの防御
3、口の中自体を清潔に保つ  
4、定期的な歯科医院での検診とプロフェッショナルケア

ここでいう「うがい」は、ガラガラうがいではなく、
お口を清潔にするブクブクうがいをいいます。

≪効果的なブクブクうがいの方法≫
・水のうがいで十分ですが、洗口剤を使うとさらに効果的です。
・できるだけお口の中全体のあちこちに、水をぶつけるようにしてみましょう。
・左右、上下を3回程度繰り返すと効果がしっかりと出ます。

新型コロナウイルスは口の中で直接感染する①

アメリカのノースカロライナ大学などの研究チームが、
昨年、気になる研究データを発表しています。
「新型コロナウイルスは、口の中で直接感染する」というものです。

これまで、新型コロナウイルスは、目や鼻、そして口の粘膜に付着して、
そこからさらに肺などの細胞に侵入して感染することがわかっていました。
今回新たに分かったのが、口の中、頬の内側や歯ぐき、舌の細胞にも
新型コロナのウイルスが直接感染して、口の中で増殖してしまうということです。

事実として、唾液から3週間以上ウイルスが検出され、
味覚・嗅覚の異常を訴えている患者さんの唾液からは
ウイルスが見つかりやすいこともわかっています。

言い方を変えれば、唾液を通じて他人に感染を広げていて、
口の中でウィルスが増え続け、口の中はウィルスの培養装置に
なってしまうということになります。
口の中に汚れがある人ほど、ウィルスが直接、口の中の細胞に付着しやすくなるので、
日ごろから口の中を清潔にしておくことが大切です。

夕方から夜にかけて口腔内の細菌が増える傾向にあり、
その時間帯は特に危険が高まるともいえます。

飲食だけが原因ではありませんが、誰かと食事をする前に、
そして、就寝前には、歯磨きやぶくぶくうがいをしておくことが、
感染症予防対策のひとつになります。

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