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歯周病や無歯顎で心不全リスク上昇?

 Atherosclerosis Risk In Communities(ARIC)研究の参加者6707例(平均年齢63±6歳)を対象に、歯周病による心不全、駆出率が低下した心不全(HFrEF)、駆出率が保たれた心不全(HFrEF)のリスクを検討した。

 その結果、追跡期間中央値13年で1178例が心不全を発症し、そのうち350例がHFpEF、319例がHFrEFだった。心不全発症例の59%に歯周病、18%に無歯顎が認められた。多変量調整Cox比例ハザードモデルでの解析で、歯周病があるとHFpEFリスクの上昇(ハザード比1.35、95%CI 0.98-1.86)、有意なHFrEFリスク上昇(同1.69、1.18-2.43)が見られ、無歯顎でもHFpEF(同2.00、1.37-2.93)およびHFrEF(同2.19、1.43-3.36)リスクが上昇した。無歯顎にC反応性タンパク(CRP)およびN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)との関連が認められた。

第26回参議院選挙 山田 宏 氏・船橋利実 氏 当選

日本歯科医師連盟の組織代表として立候補した山田 宏 氏が17万5,835票を獲得して当選を果たした。比例代表で自民党が獲得した議席は18で、山田氏は党内10番目。
 選挙区では、北海道区は44万7千票で船橋利実 氏が当選した。


「歯科医師連盟の大きな力示せた」-11日の日本歯科医師連盟の臨時記者会見で-
 山田議員は、前回と比べて他の組織団体の候補者が軒並み票数を減らした中で、唯一得票数が伸びたとして、感謝の意を示し「歯科医師連盟の大きな力を示すことができた」との考えを述べた。

歯を削る器具を盗みメルカリに出品か 歯科医院事務員の女を逮捕

勤務先の歯科医院から医療器具を盗んだとして、愛知県警は12日、事務員を窃盗の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 容疑者は3月10日ごろ~5月8日ごろ、勤務先である歯科医院で、歯などを削る器具「エアタービン」(時価10万円)1点を盗んだ疑いがある。

 この歯科医院に器具を納入する会社の関係者が、納入したエアタービンと酷似したものがフリーマーケットアプリ「メルカリ」に出品されているのを見つけ、医院に報告。医院が調べたところ、院内からなくなっていたという。

 容疑者が他のフリマアプリにも大量の医療器具を出品しているのを確認しており、関連を調べる。メルカリは医薬品や医療機器の出品禁止と、確認した場合は出品取り消しなどの対応を取ることをホームページに明記している。署は今回どのような経緯で出品されたのかを調べる。

 メルカリ広報は「規約違反の商品がないか自動検知システムや目視によって24時間態勢で監視し、見つかれば商品の削除や利用者への警告を行っている」としている。

お口の健康あれこれ

2)歯周病と糖尿病
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歯周病は細菌が原因で、歯ぐきの内側に歯周病菌が入り込み、
歯ぐきを破壊しながら進行する「炎症」です。
「炎症」状態の歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が
血管を経由して体中に流れていきます。
炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリン
を効きにくくします。
そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。

歯周病が悪化すると、血糖値が上がり、
歯周病が改善して歯ぐきの炎症が消えると
糖尿病も改善していくことが証明されています。

糖尿病の合併症のひとつに歯周病が入っています。
また、歯周病や糖尿病は発熱などの症状がでないため、
治療開始が遅れ、気づいた時にはかなり進行している場合が多いです。

糖尿病は突然発症するわけではありません。

過食と運動不足を5年~10年と続けていると、
次第に血糖値が上がり、体重が人生最大に到達する頃に
ようやく糖尿病と診断されます。

また、メタボリックシンドロームの方が、歯周病を放置していると、
合併症の一つである動脈硬化の進行を促してしまいます。

歯ぐきの炎症がなくなれば、糖尿病予備軍の方々や、
すべての世代の日本人が高血糖という災いから難を免れることができますが、
自分で歯ぐきの炎症を見つけることはとても難しいことです。

前述しましたが、歯周病は
“サイレントキラー”
とも呼ばれ、静かに痛みなく進行していきます。

3)歯周病の治療で血糖が改善される可能性
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糖尿病の9割を占める2型糖尿病の患者さんが、
歯周病を併発している時、歯周病の治療を行えば、
血糖値(HbA1c)が改善する可能性があることが発表されました。

様々な研究により、歯周病の治療で糖尿病患者の血糖値(HbA1c)の値を
0.4%~0.7%低下させることが分かっていますが、
この血糖値の低下は「糖尿病の内服薬1剤に匹敵」します。
歯科に通って歯周病の治療を行えば、お薬が減るかもしれません。

日本糖尿病協会が作成して無料配布している
「糖尿病連携手帳第4版(2020年改訂)」の歯周病の説明欄には
「歯周病の改善によって糖尿病の改善にもつながるとの報告があります」
という説明文も記載されています。

お口の健康あれこれ

1)歯周病
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歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患のことで、
歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

口腔内に多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして
赤くなったり、腫れたりします。
痛みなどの症状はないため”サイレントキラー”とも呼ばれています。

歯周病が進行すると、膿が出て、歯が動揺し、
最終的には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
歯ぐきの内側の潰瘍状態は、歯周病菌が存在する限り続きます。

そして、炎症性のサイトカインという悪玉ホルモンは、
血流にのって全身を駆け巡り、インスリンの作用を妨害して
血糖値を上昇させてしまいます。

[骨太の方針(歯科関係抜粋)]

全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療職間・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。

骨太の方針(全体版)はこちらからご覧ください。
(内閣府URL)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/decision0607.html

経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2022が決定

令和4年6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定された。

 2017年の骨太の方針に初めて[歯科]が掲載されて以降、毎年その掲載内容は厚みを増し、今年はこれまでの流れを引き継ぎながらも、「国民皆歯科健診の具体的な検討」や「市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進」などが新たに明記された。

歯科治療を介したコロナ感染 初めて2件報告

3月)で2件の報告があった。日本歯科医師会の医療管理課が行う都道府県歯科医師会調査による歯科医療機関の感染状況をもとに、16日の日歯代議員会で報告された。

 第8回調査では歯科医師366件、歯科衛生士391件、スタッフ398件、スタッフ家族540件が感染。歯科医療機関での感染事例報告は46件で、歯科治療を介していないものが33件、不明12件となっている。歯科治療を介した2件の感染について、堀 会長は「いずれも患者から歯科医師、スタッフへの感染でクラスターには至っていないことを確認している」と説明した。
【歯科通信】

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