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「食べること」は「生きること」認知症をテーマにフォーラム

9月21日(日)、「認知症と共にポジティブに生きるための口腔ケア・口腔リハビリテーション」のテーマの下、約200名の参加を得て、都内のコクヨホールで開催された。認知症になっても、いつまでも自分らしく食べ続けていくために今日からできることや、口腔ケア、口腔リハビリテーションの視点から自分らしく生きていくための知恵や工夫などを議論した。
                  日歯広報 2014.10.15

歯細胞から肝臓再生、年度内臨床も

日本歯科大学の八重垣健教授など再生医療研究チームは、歯の細胞から肝臓を再生する実験に成功した。歯髄幹細胞と呼ばれるヒトの歯の細胞から再生した細胞を、急性肝不全を起こしたラットの肝臓に移植、肝臓を再生させた。早ければ年度内での臨床応用も可能という。自己の歯の細胞から再生臓器と置換するというiPS細胞などに続く、再生医療の実現につながる可能性がある。

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 体性幹細胞という幹細胞の一種である歯骨髄細胞を使った前臨床実験。すでに研究グループでは、ヒトの乳歯・永久歯は髄から得た歯髄細胞を継代培養することに成功しており、肝臓、すい臓細胞の分化も成し遂げている。今回はこれらの経緯を踏まえ、80~90%の肝臓を切除し急性肝不全を起こしたラット6匹に、ヒト歯髄から再生した肝臓様細胞を移植した。6匹はすべて生存し術後20日で肝臓は完全に再生。移植したラットの肝臓にはヒト肝臓マーカーが大量に出現し、ヒト肝臓が再生できたことも確かめた。

 また、実験中に単純ミスで肝臓以外に歯髄からの肝臓様細胞が飛んだところ、肺で肝臓ができた。この細胞が悪性腫瘍になる可能性が否定できたとしている。さらに、ラットに肝硬変を起こさせ、肝臓様細胞を肝臓に注入した試験で移植群と非移植とで血清を比較すると、移植群と正常ラットとがほぼ同じ値を示した。肝硬変が治癒したことになる。

 これらの結果から研究陣では、機能的にも形態的にも十分な肝臓再生に成功し、ヒト肝臓の再生医療の実現性を実証できたと総括。それだけでなく、ヒト歯髄由来の幹細胞から発生させたすい臓など肝臓以外の種々の再生器官がヒトの体内で正常に機能する可能性が確かめられたとしている。

 また今回の試験では、肝臓様細胞からの臓器の再生時に、旧臓器を細胞接着(スキャホールド)の足場として活用し、臓器再生時のカギとなる3次元立体構造の構築につなげた。これもまた、疾病臓器を自己の歯の細胞から短時間で再生臓器と置換する治療の実現への道を開いたといえそう。

 肝臓の臨床医学の研究機関の協力があれば、臨床への応用は年度内にもできるという。iPS細胞の活用とは別のアプローチによる再生医療として注目を集めそうだ。

浅井愼平氏を迎え最終診査 ベストスマイル2014

日歯は10月6日(月)、「『いい歯で、いい笑顔』を日本中に。」をキャッチフレーズに展開しているベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2014の「スマイルフォトコンテスト」の最終審査を、歯科医師会館で行った。今年度の「スマイルフォトコンテスト」では、7月15日(火)から9月25日(木)までの応募期間に4639作品が寄せられた。
                  日歯広報 2014.10.15

新技術開発と保険導入の可能性考える

平成26年度社会保険指導者研修会が9月17日(水)、都内の日本教育会館(一ツ橋ホール)で「新たな歯科医療技術について~各分野における新技術と保険導入の可能性について考える~」をテーマに開催され、堀憲郎常務理事が「新たな歯科医療技術・医療機器の保険導入の現状と課題(その2)」と題して、田口円裕・厚労省保険局歯科医療管理官が「最近の社会保険を取り巻く状況」と題してそれぞれ講演した他、講演者全員でパネルディスカッションを行った。
                  日歯広報 2014.10.15

厚労省 大企業の健保に高齢者医療負担増を提案 厚労省、新聞各紙

10月6日(月)厚生労働省は社会保障審議会 医療保険部会で、後期高齢
者医療制度の財源をめぐり、加入者の収入が高い大企業などの健康保
険組合に拠出金負担を多くする「総報酬割」の全面導入を提案した。
年内に議論をまとめ、来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。後
期高齢者の医療費約15兆6,000億円(2014年度)のうち約4割は、大企業
の健保組合、中小企業の従業員らが加入する「協会けんぽ」など現役
世代の保険料から拠出されている。健保ごとの拠出額は加入者数と加
入者の月収に応じて決めているが、厚労省案では月収のみを基準にす
る方式に改める。新制度により協会けんぽは最大約2,400億円の負担
減となり、健保組合は約1,500億円、公務員らの共済組合は約1,000億
円の負担増となる試算、これにより協会けんぽへの国庫補助を減らす
ことができる。同省はその分を市町村が運営する国民健康保険の赤字
対策に回し、国保の運営主体を市町村から都道府県に移し、国保財政
を安定させたいと考えている。この動きに対し健保組合側は「健保に
加入していない後期高齢者を現役世代のお金で支える仕組み自体がお
かしいのに、負担増は全く納得できない」(健康保険組合連合会白川
修二副会長)と反発している。今後の議論が注目される。

私立大学歯学部 2015年入試 始まる

私立の歯科系大学は全国に17校ある。各大学とも優秀な学生の確保を
めざして様々な選考方式を実施しているが、推薦入試はすでに9月より
開始。同窓会、指定校、AOなど多くの方式で実施されている。また、
学士、帰国子女、外国人等に特に採用枠を設定している大学もある。
1~3月の一般入試についても前期、後期と複数あり、センター入試併
用試験なども導入されている。選考試験が十数回に及ぶ大学もあり、
受験生にとっては受験方式についても選択の幅が拡がっている。学費
についてもここ数年、減額の傾向にあるが、最近では多くの大学が特
待生制度を採用している。成績など一定の基準を満たすことで学費の
一部または全部を免除する制度である。ついに今年は定員の約1/3に相
当する30名を特待生として入試募集する大学も出現した。趣旨は人物、
成績、健康ともに優秀で他の学生の模範となる特待生を選抜し、全学
生の学力向上を奮起奨励することを目的とするとしている。定員の確
保は非常に重要な問題であるが、9月から来年の3月まで半年間に渡り
多数の選考試験が各大学でおこなわれること、それに費やされる資本、
労力を考えると少し、複雑な気持ちになる。

各私立歯科大学入試日程と要綱はこちら
http://www.shikadaikyo.or.jp/

スーパーグローバル大学創成支援事業 日本学術振興会

世界ランキングトップ100を目指すカのある大学や、先導的な試みをし
て日本のグローバル化を牽引する大学の強化を図るため、文科省が制
度化し、日本学術振興会が主幹している事業「スーパーグローバル大
学創成支援」平成26年度公募結果が9月26日(金)公表された。今回は37
校が採択され、歯学部を有する大学は7校、北海道大学、東北大学、東
京医科歯科大学、大阪大学、広島大学、九州大学、岡山大学が選ばれ
ている。本事業では、世界ランキングトップ100を目指す「トップ型」
と、これまでの実績を基に先導的試行に挑戦する「グローバル化牽引
型」の2つを設け、それぞれ13校、24校を採択した。各大学の具体的な
取り組みとして、一層の国際化、在学中の留学、海外研修の充実のた
め、研修海外拠点および提携校を増やし研究実習、臨床実習の経験者
を増加させること、英語を用いた授業の質保証を図るための教員への
対策などがあげられている。

日本学術振興会ホームページ
各大学の採択案の内容など公開されています。
http://www.jsps.go.jp/j-sgu/

基金・来年度予算対応を協議

都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会が9月3日(水)、歯科医師会館で開催され、「新たな財政支援制度(基金)の進歩状況及等並びに地域医療構想」「平成27年度厚労省予算概算要求」について、厚労省と都道府県歯専務理事との間で活発な意見交換が行われた。また、未入会者対策プロジェクトチームで検討した現時点での未入会者対策案を示し、理解と協力を求めた。
                           日歯広報 2014.10.1

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