いま海外で日本の「抹茶」が大きな人気となっています。財務省の貿易統計を見ると、抹茶を含めた日本の緑茶の輸出量・輸出額はいずれも増加傾向が続き、2024年の輸出量は約8,798トンと、対前年比で約16%増、10年前の約2.5倍に達しています。また輸出額も364億円と前年比24.7%増で、円安効果も相まって過去最高を更新しました。
輸出先では米国(32%)が最も多く、東南アジア(20%)、台湾(19%)、EU・英国(16%)と続きます。品目別に見ると、抹茶などの粉末茶が輸出全体の約6割を占めており、リーフ茶を大きく上回っています。こうした品目構成には地域ごとの嗜好差が反映されており、米国とEU・英国では抹茶(粉末茶)の比率が高い一方、台湾ではリーフ茶の人気が高い傾向があります。
抹茶は日本固有の文化と思われますが、歴史を辿ればルーツは中国にあり、約800年前の鎌倉時代初期に、臨済宗の開祖・栄西が宋から茶の種子を持ち帰り、茶の粉末を湯の中にいれてかき混ぜる抹茶法を伝えたことが始まりと言われています。その後、栽培方法や製造技術が日本独自に発展し、現在の抹茶文化が形作られました。
抹茶の原料となる「てん茶」は、日光を遮る被覆栽培によって新芽の緑色を深め、うまみ成分や香りを高めます。収穫した生葉は蒸した後、揉まずに高温で乾燥し、茎や葉脈を取り除いたのち、石臼で挽いて抹茶とするのが一般的な製法です。
抹茶人気の背景には、世界的な健康志向の高まりに加え、若年層を中心に抹茶ラテやスイーツなどの新たな需要が広がっていることが挙げられます。