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クラスター拡大止まらず 旭川・吉田病院162人 地域医療に影響 /北海道 地域 2020年12月2日 (水)配信毎日新聞社

旭川市で11月以降、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、感染拡大が医療現場に深刻な影響をもたらしている。1日も感染者の増加は止まらず、吉田病院で7人増の計162人、旭川厚生病院では16人増の計156人にまで拡大し、道内1、2番の多さのクラスターとなっている。新たなクラスターは、旭川大学高の生徒ら10人とスポーツサークルの7人の2件が判明し、市内では計7件に達した。【土谷純一、渡部宏人】

 同市では、11月7日に吉田病院、22日に旭川厚生病院のクラスターが公表されると、感染者は徐々に増え、20日に初めて20人、22日は40人を超えた。12月1日現在の累計感染者487人だが、11月だけで404人と、わずか1カ月間で8割超を占める。

 旭川厚生病院は新型コロナ感染者も受け入れていた道北の基幹病院だが、外来診療が原則休止に追い込まれ、地域医療にも影響が出ている。同病院は12月1日午後4時現在で計171人の感染を確認したと独自に発表した。

 また、同日、最前線で働く女性保健師の感染も確認され、記者会見で市保健所の幹部は「感染防止を指導する立場の者が感染した。重く受け止めている」と述べた。保健師は院内感染が拡大する吉田病院を拠点に消毒作業、疫学調査などに従事していたという。市は今月3日から、現在の33人から70人体制に拡大するため、保健師を増員、学校の保健師にも応援を依頼する。

 死者は1日、新たに8人が発表され、累計で23人になった。8人の中には吉田病院、旭川厚生病院の入院患者が含まれているという。このうち、吉田病院の患者は11月22日に死亡したが、1週間以上遅れての発表となった。病院からの報告が遅れたのが原因といい、市保健所は「なぜ遅れたのか病院に報告を求める」とし、連絡体制のあり方も検証する。

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