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「病院が怖い」受診控えも コロナ拡大で診療に影響、持病悪化の懸念

新型コロナウイルス感染症に対応する病院だけでなく、さまざまな医療機関の日常的な診療に、感染拡大の影響が広がっている。緊急性の低い手術を延期したり、電話での再診に力を入れたりと、医療機関側は院内感染防止に必死だ。一方で、患者側には感染を恐れて受診をためらう動きが出ており、持病の悪化を懸念する声もある。

 「がんや痛みが強い場合など緊急性の高い手術はするが、それ以外の手術は延期を検討する」とするのは福岡市の急性期病院の60代院長。無症状でも感染者がいる可能性があり、手術時の感染を避けたいという。

 日本外科学会などは手術の実施時期を緊急度に応じて判断し、致命的な病気でなければ延期するよう促す提言を公表。院長は「院内感染が起こったら診療できなくなる。何としても防がないといけない」と話す。

 福岡県歯科医師会は緊急事態宣言に備えて4日、緊急性の低い診療は延期も検討するようにと各歯科医院に通知した。同会の川端貴美子専務理事は「高齢者の口腔(こうくう)ケアが誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐように、延期ができない診療もある。受診に迷ったら、かかりつけの歯科医に相談してほしい」と呼び掛ける。

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