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からだの中の常在菌

お口や腸、皮膚などにはたくさんの菌が存在し、
私たちが摂る食事や、分泌物をエサに増殖しています。
この菌を常在菌とよび、外からの病原菌からからだを守ってくれるなど、
基本的には味方になってくれて、共生しています。

腸内の常在菌には糖を分解して乳酸に変える乳酸菌や、
糖から酢酸や乳酸を作るビフィズス菌などがあります。
これらは腸内で悪玉菌が増えるのを防ぎ、
からだの健康を手助けするといわれていますが、
乳酸菌飲料を飲んでも、多くは胃酸で死んでしまいます。
生きたまま腸まで届く乳酸菌(ラクトバチルス・ガゼイ・シロタ株)は
腸を通過するときに常在菌のエサになるなど役に立ちますが、
定着はしないといわれています。

お口の中にも常在菌が存在し、免疫力が低下していたり
口腔内が不衛生だったりなどでバランスが崩れると
からだに害を与える原因になります。
むし歯や歯周病はもちろん、誤嚥性肺炎・糖尿病・動脈硬化・
心筋梗塞・脳梗塞などの原因になり、
菌がからだ中に広がる菌血症などを引き起こす場合もあります。
また、お口の中の細菌が大腸がんの原因になることもあると考えられています。

普段は味方になってくれる常在菌ですが、それらの菌の均衡を保つことが大切です。
消毒や除菌をし過ぎると均衡を崩したり、病原菌の侵入に繋がりますので、
なにごともやりすぎには気をつけたいものですが、
やはり、清潔を心がけ菌が増殖することを防ぐことが大切です。
お口も歯磨きや舌のお掃除などで、細菌が過剰に増えないよう気をつけましょう。

▼参考:口腔微生物叢と歯のケアが腸内微生物叢に及ぼす影響
 鶴見大学歯学部
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i0qc1ps0kv3z37lcp5Sw6
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