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長引く口の乾き 原因解明のカギは「脳」

東京医科歯科大学の豊福明さんは口ではなく脳に変化が起きているのではないかと患者の脳の血流量を調べた。ドライマウス患者35人のほぼ全てで血流量の多い部分が右側に偏っていた。脳神経の専門家で日本大学の酒谷薫さんを訪ねた。脳にストレスをかけ血流の変化を見る実験。タイプ1は血流が左に偏り、タイプ2は血流が右に偏っていた。血流が左に偏る人は計算テストを行っている間、1分間の心拍数が平均4回増加し、血流が右に偏る人は平均14回増加していた。右優位の人はストレスに敏感に反応するストレス脳でドライマウスになったと考えられる。ストレスの長期化などでストレス脳に変化すると唾液減少もストレスに感じるようになり、もともとのストレスがなくなっても唾液の量が戻らないと考えられる。鶴見大学歯学部の斎藤一郎教授の解説。ドライマウスの症状が継続的に続いてしまう理由が精神的・神経的なものが関わっていることが明らかになってきた。脳がストレスに敏感になっている人は口の乾き自体が原因で症状を悪化させることがある。

ストレスをためない!簡単お口うるおし術

 ドライマウスの患者は推定800万人。最近はジェルタイプで指で口の中に塗る保湿剤も登場。スプレータイプもあり売り上げは増加中。医師もおすすめする口の乾き対処法「リップトレーニング」は前歯が見えるように口の筋肉に力を入れ「イー」。唇を前に突きだし口の筋肉を緩めて「ウー」。口の乾きを感じた時に10回程度繰り返す。ストレスを軽減させる効果も期待できる。世界が注目する簡単治療法はこのあとすぐ。はしのさんは「牛の唾液の育毛が衝撃的だった」と話した。

あなどれない口の乾き 思わぬ症状が次々と…

 さきほどの実験の9分後には唾液の量は回復した。ところがストレスの原因が取り除かれたあとも唾液の量が戻らない人が推定800万人いる。唾液の機能がアップしても口全体に行き渡らないと大問題。「ドライマウス(口腔乾燥症)」という唾液の減少。渡辺花菜絵さんは就職活動を始めた1年程前から口が乾燥し働き始めた現在も症状が続いている。外出する時は口を潤すものが手放せない。

 岡野富美子さんはドライマウスの症状で食事の味を感じなくなった。さらに口内炎ができやすくなった。3年前にドライマウスを発症した佐藤よし子さんは飲み込みづらさや口臭を感じるようになり、家にこもりがちになってしまった。ドライマウスで起きる症状は強烈な口の乾き、常に口内炎、強い口臭、増える虫歯、味がわからない、様々な感染症、誤えん、肺炎。唾液の量が戻る人と戻らない人は何が違うのか?

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