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発達障害の夫を持つ妻が悩みを共有 心身の回復を目指す活動、横浜市で始まる

成人した人の発達障害の認知が進む中、当事者を身近で支える家族をケアする必要性が指摘されている。なかでも深い悩みを抱えがちなのが、発達障害の配偶者を持つ妻。夫の障害特性から生じる悩みや困難があっても「どこの家庭にもあること」と取り合ってもらえなかったり、「夫ではなく、あなたが悪いのでは」と責められたりして、心身の調子を崩してしまう人もいる。その苦しみを分かち合い、回復を目指す活動が横浜市内で始まっている。

 4月16日、発達障害の夫を持つ女性の自助グループ「フルリールかながわ」の集まりが、かながわ県民センター(同市神奈川区)で開かれた。

 参加者は6人。「時間に正確すぎて、待ち合わせ時刻ちょうどに相手がいないと帰ってしまう」「『気持ちを考えて』と言ったら、『気持ちって何?』と聞き返された」「夫の両親に『息子の行動がおかしいのはあなたのせい』と言われた」…。夫の行動の特徴や周囲からの反応が語られるや、「うちも同じ」と共感の声が次々に上がる。

 夫と子どもの関係、金銭管理の問題やその対処法など、話題は幅広い。約3時間語り合った後、参加者の1人は「ここで話し合うことが生きていく力になる」と晴れ晴れとした笑みを浮かべた。

 フルリールかながわの代表を務めるのは、シニア産業カウンセラーの真行(しんぎょう)結子さん(51)=同区。自身も発達障害の元夫(56)と20年以上暮らし、気持ちを分かち合えないことや、さまざまな誤解に苦しんだ一人だ。

 元夫は、真行さんが仕事の悩みや子どもの進路を相談しても自分の考えを何も答えられず、感情を共有することもできなかった。「一緒に暮らしていても一人」のようでつらかったが、仕事や地域活動に熱心な元夫は周囲からの評判もいい。真行さんは自分を責め、体調を崩して通院もしたが、相談した医師に「僕も妻の話はあまり聞かない」と言われるなど、苦しみは理解されなかった。

 知人から元夫の発達障害の可能性を指摘され、同じ立場の女性が集まる都内の自助グループに参加。「私だけじゃないんだ」と安堵(あんど)を覚えた。同様の悩みを持つ人が気持ちを語り、否定されずに思いを共有できる場を県内にもつくろうと、昨秋立ち上げた。

 フルリールかながわでは話せる場づくりだけでなく、発達障害への理解を広める活動も行う。真行さんの元夫をはじめ参加女性の配偶者は、本人も周囲も障害に気づかないまま成人した人が大半だ。障害の特性を知れば、妻自身が配偶者にどう対応すればいいかが分かり、周囲の「妻が悪い」という誤解も解くことができる。活動を通じ、どんな人も暮らしやすい「共生社会」を実現することも目的だという。

 北里大医学部の宮岡等教授を招き、成人の発達障害を配偶者の視点から考える講演会も開催したところ、新潟や福岡からも参加者があり、関心の高さを裏付けた。真行さんは「悩んでいるのはあなた一人だけではない。抱え込まず、気持ちを分かち合う場に来てみてほしい。それだけで随分、楽になるはず」と話す。

 フルリールかながわのホームページのアドレスはhttp://fleurirkanagawa.blog.fc2.com/

口腔ケアで認知症予防

日本社会は世界で類のないスピードで高齢化を迎えつつあると言われていますが、これに伴って認知症患者の数も爆発的に増加しています。今年1月に厚生労働省は全国で認知症患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推測値を発表しました。65歳以上の高齢者の、実に5人に1人が認知症ということになります。認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約460万人と推測されており、約10年で1.5倍にも増えることになります。これに対して国は新オレンジプランを初めとする認知症患者支援や認知症の人が住みやすい地域づくりなどの事業を推進しています。
 こうした認知症になってしまった人への様々は対策も大切ですが、認知症にならないようにする、なってしまっても進行を遅らせるといった予防策も同時に必要です。私たちができる認知症の予防としては、①抗酸化物質であるビタミンEやBカロチンを多く含む野菜、果物や、DHAやEPAを含む青魚をよく食べる等の食習慣を見直すこと、②週3日以上の適度な有酸素運動をすること、④人とよくお付き合いをしてよく話すこと、⑤文章を書いたり読んだり、新しい事に好奇心をもつこと、などが挙げられています。こうした認知症予防につながる生活習慣の改善には、口腔の機能がどれだけ健康な状態に保たれているかということがとても重要な鍵となってきます。
 すなわち「よく食べられる口」「よく話ができる口」であり続けることが、認知症を予防する上で、あるいは認知症の進行を遅らせる上で重要になってきます。

健康寿命延伸のための歯科医療

シンポジウム「歯科医療が支える超高齢社会ニッポン」(主催:日歯、制作:NHKグローバルメディアサービス)が3月29日、「健康寿命延伸のための歯科医療」のテーマの下、都内のイイノホールで374名の参加を得て開催され、外来中心の治療から地域医療を支える医療へと変化が求められている歯科医療の現状を確認するとともに、超高齢社会において歯科医療が担う責任と役割について異なる分野の専門家が様々な視点で語り合った。
                            日歯広報 2014.4.15 1641号

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