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診療報酬を不正請求 保険医登録取り消し

東北厚生局は25日、2005~10年に診療報酬約1千万円を不正請求したとして、台原整形外科(仙台市青葉区)の保険医療機関の指定と、佐藤隆司(さとう・たかし)理事長の保険医登録をそれぞれ7月1日付で取り消すと発表した。

 また、05~08年に同約130万円を不正請求したとして、青森県弘前市にあった笹森歯科中央クリニック(閉院)の保険医療機関指定も同日までに取り消し相当処分とし、元院長の笹森公太(ささもり・こうた)歯科医師(32)と元勤務医の佐久間繁(さくま・しげる)歯科医師(60)の保険医登録を7月1日付で取り消すとした。

 厚生局によると、台原整形外科と笹森歯科中央クリニックは、使っていない注射薬を使ったことにしたり、実際は行っていない保険診療を付け加えるなどして、診療報酬を不正に請求していた。

 笹森医師は同クリニックの閉院後、福島県の医療機関で保険医として勤務。佐藤理事長や笹森医師は厚生局に「不勉強だった」などと説明しているという。

インプラント 歯科医6割「トラブル」 学会指針作成へ

あごの骨に金属製の人工歯根を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療で、治療している歯科医の6割が何らかのトラブルを経験していたことが、日本歯科医学会の初めての全国調査で分かった。手術設備や治療前の検査にもばらつきがあった。同学会は調査結果を基に、インプラント治療のガイドライン作りを始める方針だ。

 インプラント治療は、入れ歯よりも自分の歯のように強くかめる半面、治療を巡るトラブルがあとを絶たない。日本歯科医学会は3月、全国の歯科医師会を通じて歯科診療所の医師1000人に調査票を送り、423人から回答を得た。

 その結果、この治療に取り組む289人のうち、60・8%が治療による何らかのトラブルを経験していた。具体的には▽人工歯の破損が67・5%▽インプラント周囲の炎症が55・4%――などだった。

 また、4人に1人が「神経のまひ」や「異常出血」などの重い医療トラブルを経験していた。手術を手術室でするかや治療前の検査内容にばらつきがあることも分かった。

 インプラント治療はほとんどが自由診療でこれまで治療のガイドラインがなかった。調査を担当した栗原英見広島大教授は「他の歯科診療所の取り組みを知る機会を設けるなど、ガイドラインが守られるための仕組みも作りたい」と話している。

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