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「『歯科治療』と『がん治療』の連携が始まります 

日本歯科医師会と国立がん研究センターは、がん患者の、口腔内の衛生不良に
よるがん治療に伴う口腔合併症などの予防と軽減、全てのがん患者が、安心して
歯科治療や口腔ケアを継続的に受けることができる体制の整備及び地域医療連携
ネットワーク構築を目的とし、連携体制を築き上げることについて合意しました。

 第一段階として、関東圏(千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、山梨県)で講
習会を受講した連携歯科医師・歯科医療機関に同センターが、がん患者の治療前
の口腔ケアなどを依頼するもので、早ければ年明けから開始。口腔ケアは、口腔
合併症を予防するだけではなく、QOLを高め、がん治療意欲も向上させるといわれ
ております。初年度は、手術予定患者4,000人強が見込まれています。
 死亡原因の第1位のがん治療には、さまざまな口腔合併症が発症しており、一般
的な抗がん剤治療では40%、大量に強い抗がん剤投与を行なう骨髄移植治療で80%、
口から喉周囲の頭頚部がんの放射線治療では100%発症すると報告されております。

 記者発表会では、大久保満男日本歯科医師会会長が、“食べることは生きる力
を支える根底。がん治療開始からがん末期まで、口から自然な形でおいしく食べ
ることを支援する”と、歯科医療が社会的使命を担うことを説明されました。

処方薬がある場合 必ず歯科医にも知らせて

患者さんの中には数ヶ所の診療科に通院し、いろいろな薬を処方されていても、「これは歯科とは関係ない薬だ」と自己判断して治療開始前に申し出ず、後になって「実はこういう薬を飲んでいるんです」と言われる方がいます。確かに歯科治療に支障のない薬も多いですが、薬同士の飲み合わせがあったり、その薬を処方されていることで、患者さんに対する歯科治療の方針を新たに決めなければいけないなど重要なことが幾つもあります。
 それは抜歯のときなどに限られたものではありません。使用する機器や材料、時には歯科治療自体の刺激が患者さんの体に負担となることさえあります。多くの種類の薬を処方されている場合は、何科で何をもらった、新しく薬を替えた、量が減った、休薬したなど、いろいろあって忘れてしまうこともあるでしょう。処方内容を適宜見せていただくことが望ましいとは思いますが、そこまででなくとも「だいたいの薬の内容」を教えていただければ参考になります。
                   福島民友 2010.8.13

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