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3回目接種後3カ月で、3~5%「ブレイクスルー感染」か

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン3回目接種後3カ月以内に、3~5%程度の「ブレイクスルー感染」が起きるリスクがある――。ワクチン接種後の副反応や抗体価の変化を調べるコホート調査から見えてきた。9月2日、代表研究者の伊藤澄信・順天堂大学革新的医療技術開発研究センター特任教授が9月2日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議(座長:森尾友宏・東京医科歯科大学発生発達病態学分野小児科教授)に報告した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 調査では1、2回目にファイザー製、もしくはモデルナ製のワクチンを接種した後に3回目にファイザー製、モデルナ製をそれぞれ接種した場合の接種後の抗S抗体価の量を調べた。1、2回目がファイザー製だった場合、3回目接種の6カ月後には、3回目接種1カ月後の約3割程度まで抗体価が低下していた。1、2回目がモデルナ製だった場合、3回目接種の3カ月後には、3回目接種1カ月後の約5割程度に抗体価が低下していた

北海道の感染者数、減少傾向に 医療体制は厳しく 飲食クーポン好調

 北海道内の新型コロナウイルス感染者が減少傾向になってきた。2日の新規感染者は5566人で、9日連続で前週を下回った。死者の発表は11人。ただ医療提供体制は依然厳しく、道は「BA.5対策強化宣言」を1カ月延長。政府の方針変更をにらみつつ、道内の体制整備を急ぐ。

 道によると、2日現在の人口10万人あたりの新規感染者数の週合計は、前週比で0・80倍。8月26日から1倍以下が続く。他都府県に遅れ、道内でもこの日を境に減少に転じた模様だ。

 一方病床使用率は38・8%(1日現在)と横ばいだ。十勝や道北、道南圏で40%を超えるなど高水準の地域もある。新規感染者のうち60代が約2割と増加していることもあり、医療への負荷は高いままだ。

 道は8月31日までの「対策強化宣言」を9月30日まで延長。現在は対象が石狩地域の「陽性者登録センター」を早期に全道に拡大するなど、保健・医療提供体制の充実や感染対策の徹底を図り、医療負荷を下げることを目指す。

青山こどもクリニック(以下、本院)について教えてください。

このたび、岡山市の北部市街地に青山こども岡山北クリニック(以下、岡山北)を開院されました。開院までの経緯を教えてください。

 本院を開院してから5年ほど経ち、自分が行ってきた医療がある程度地域に認められたという実感があり、さらに診療幅を広げてもいいかなと思っていたところ、国立岡山病院の後輩である、さとう小児科医院の佐藤幸一郎先生から、自分は一線から身を引くことを考えているため、この場所で後を継いでもらえないかという話がありました。長い間、地域の医療を支えてこられたこの医院には、地元だけでなく小児科の医療機関が少ない県北からも多くの患者さんが通ってきていましたので、せっかく続いてきた地域医療の灯を消してはいけないと思いました。

 佐藤先生は1人で診療されていましたが、私のクリニックは365日診療を掲げていますので医師が3人必要です。2021年8月に相談を受けてからさっそく周囲で思い当たる医師に声をかけたところ、ありがたいことに3人の協力者が得られました。

 施設は、さとう小児科医院の建物をそのまま再利用し、間取り、内装などを3カ月かけて改装しました。3部屋の診療室、そのうち1室には簡単な手術ができる設備を整えたほか、COVID-19やインフルエンザといった感染症に対応する隔離室も設けています。

74歳で開業、79歳で2軒目を開院した現役小児外科医-青山興司・青山こども岡山北クリニック理事長に聞く

国立岡山病院(現国立病院機構岡山医療センター)に勤務以来、50年にわたり岡山の小児科・小児外科医療を牽引してきた青山興司氏。79歳という年齢にもかかわらず、5年前に岡山市に開業した小児科・小児外科の青山こどもクリニックに加え、2022年7月に後輩医師や患者たちの切なる声に応えて市内に2軒目のクリニックとなる青山こども岡山北クリニックをオープンした。新たなクリニックとその運営について青山興司氏に聞いた

手足口病、道内で3年ぶり流行 各地で警報レベル こまめな手洗いで拡大防止を

子どもが夏にかかりやすい感染症「手足口病」が道内で3年ぶりに流行している。道立衛生研究所(札幌)によると、8月以降の1定点医療機関当たりの患者は全道で4人超と警報発令基準(5人)に近い状態が続く。新型コロナウイルス流行に伴い感染症対策が広がり直近2年は流行がなかったが、今夏は道央を中心に全道各地で感染が増加。専門家は手洗いなどの徹底を呼びかけている。

 手足口病はウイルスによる感染症で、口の中や手足に水疱(すいほう)性の発疹が出て、発熱や喉の痛みがある。感染者は5歳以下が90%前後を占める。大半は数日で回復するが、まれに髄膜炎など重症化するケースもあり、強い頭痛や意識が朦朧(もうろう)とするなどの症状がある場合は注意が必要という。

手足口病が流行 宮城県が3年ぶり警報

宮城県は25日、乳幼児を中心に水疱(すいほう)性の発疹や発熱、食欲不振などの症状が出る手足口病が流行しているとして警報を出し、注意を呼びかけた。警報発表は3年ぶり。

 県疾病・感染症対策室によると、8~14日の1定点医療機関当たりの患者数が5・19人となり、警報開始基準の5人を超えた。

 15~21日には7・07人に増加。地域別では、仙南を除く4保健所管内で5・00~7・00人となり、仙台市は8・96人だった。

 手足口病は全国的に流行しており、夏に流行のピークを迎える。同室は(1)食事前・排せつ後のせっけんと流水によるこまめな手洗い(2)家族が感染した場合はタオルの共用を避ける-などの対策を促している。

新型コロナ:新型コロナ カロナール適切な処方を 「第7波」拡大、需要急増

新型コロナウイルス感染者の急増で供給が厳しくなっているとして、医療機関で処方される解熱鎮痛剤「カロナール」の製造元が出荷調整をしている。副作用が少なく、子どもや妊婦らに使いやすいとされるが、不足すると必要な人に届かない恐れがある。厚生労働省は医療機関や薬局に買い占めないよう呼びかけた。専門家は「患者によっては同様の効能がある薬に置き換えられることもある」と指摘している。

 東京都練馬区にある桜台薬局では7月にカロナール錠剤約2000錠を処方した。例年ならこの時期の処方量は多くて500~600錠。需要が爆発的に増えたのは新規陽性者が急増した7月から。8月も数日で1000錠以上を処方した。東京都薬剤師会の会長も務める永田泰造局長は「(コロナ禍の前なら)インフルエンザも流行していない夏の時期にはありえなかった量だ」と話す。

 「カロナール」(一般名・アセトアミノフェン)は発熱や喉の痛みに有効とされ、新型コロナの患者にもよく処方されている。製造元の「あゆみ製薬」(東京都)は7月29日、感染拡大の「第7波」で需要が急増し、注文に応じ切れなくなったとして、出荷調整を始めたと発表した。

 永田局長は「在庫不足に陥っている薬局もあるが、発熱外来の近くなど、在庫のある薬局もある」と話す。加えて解熱鎮痛剤はロキソプロフェンやイブプロフェン系などが成分の市販薬も含めて複数あるため、今のところ、薬が全く出回らなくなることを心配する必要はないという。そのうえで、「必要な人に必要な薬が行き渡るよう医療関係者には患者一人一人に適切な処方を考えてほしい」と冷静な対応を呼びかける。

毎日コーヒーを飲む高血圧患者は血管の機能が良好

コーヒー摂取習慣のある高血圧患者は、血管の内皮と平滑筋の機能が良好であることを示すデータが報告された。広島大学病院未来医療センターの東幸仁氏らの研究によるもので、詳細は「Nutrients」に6月29日掲載された。

 適量のコーヒー摂取には健康上のさまざまなメリットのあることが報告されているが、高血圧の治療に対する有益性の研究結果は一貫性がない。東氏らはこの点について、血管内皮機能と血管平滑筋機能の面から検討を加えた。

 動脈血管の最も内側の層に当たる内膜の内皮細胞は、血管を拡張する一酸化窒素(NO)を産生するなどの役割を担い、中膜の平滑筋は血管のしなやかさに関与している。動脈硬化の初期段階では内皮機能が低下し、続いて平滑筋機能が低下してくる。これらを測定することで、血管が狭くなるなどの形態学的な変化や臓器障害が現れる前に、動脈硬化のリスクを把握でき早期介入が可能となる。

 一般に内皮機能は、上腕(二の腕)の血流を一時的に駆血(遮断)し、それを開放した時に血流の刺激を受けた内皮細胞がNOを産生することで起こる血管拡張反応(flow-mediated vasodilation;FMD)で評価する。測定結果は、ベースライン(駆血前)の血管径を基準に開放後の血管径を比較してパーセントで表す。一方の平滑筋機能は、ニトログリセリン投与による血管拡張反応(nitroglycerine-induced vasodilation;NID)で評価し、やはりベースラインからの血管径の変化の割合で結果を表す。いずれも数値が大きい方が、内皮や平滑筋の機能が良好と判定される。

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