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ちょっと気になる!≪エナメル質形成不全≫

歯の表面の白い斑点・・・気になりますか?
これはホワイトスポットと呼ばれ、
初期むし歯と「エナメル質形成不全」に分類されます。
歯の表面のエナメル質が正常に形成されない状態です。
エナメル質は再生されることがないため、
形成される段階で異常があると、エナメル質形成不全に
なることがあります。

軽度の症状:
・歯の表面に濃い白い斑点がある
・茶色や黄色っぽい色をしている
・生えてきたばかりの歯が他の歯と違う、など

重度の症状:
・象牙質が見えている
・欠けている、不自然なくぼみがある
・上記のような歯の形状の変化が見られる、など
 
原因(乳歯):
・早産により母親からの栄養が不十分だった
・妊娠中の栄養不足による、カルシウム、リン酸、ビタミンD欠乏症
・妊娠初期の母親の抗生剤服薬(アモキシリン)の影響

原因(永久歯):
・生後1歳の時期の熱性疾患等により、エナメル質の元になるエナメル芽細胞が影響を受けた
・乳歯のむし歯や外傷などが原因で、永久歯の成長に影響を与えた
・長期間に亘る高濃度フッ素の摂取によるもの
・乳児期の栄養失調によるもの
・遺伝

治療:
・予防
エナメル質形成不全はむし歯のリスクが高くなるため、
乳歯や初期むし歯は、むし歯予防のためにフッ素塗布をします。

・強化・修復
重度の場合は樹脂(レジン)の充填などにより歯の形成等の
治療を行います。
 
・目立たなくする
ホワイトニング、歯のマニキュア等で色を目立たせないようにします。
 
・MIペースト
カルシウム、リンなどのミネラルの補給をするとともに
酸性に傾いた口腔内を中和する作用があります。
※牛乳アレルギーの方は使用不可

遺伝以外の原因の場合は、乳歯の段階で注意をすることで
防ぐことができるものです。
白い斑点が気になる場合は、早めに歯科医院を
受診することをお勧めします。
 
▼参考:エナメル質形成不全の原因と治療法まとめ
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g01ffwu0bs4p7ze69n37m

咀嚼の話≪胃腸の働きを促進≫

咀嚼での効能を頭文字で表した「ひみこの歯がいーぜ」
「ひ」肥満予防、「み」味覚の発達、「こ」言葉の発音が良くなる。
「の」脳の活性化、「は」」歯の病気予防、「が」がんの予防、に続き
今回は「い」胃腸の働きを助けるお話です。

唾液の成分は99%が水でできていて、残りの1%に
炭水化物を糖に分解する消化酵素「アミラーゼ」が含まれています。

咀嚼をすると唾液がたくさん出て、咀嚼回数が増加すると、
α-アミラーゼ(唾液アミラーゼ)による
糖の生成量も比例して増加します。
直接的な消化作用と同時に、消化管運動を高めて胃酸を分泌するための
間接的な消化作用(消化管から胃液、膵液、ホルモンの分泌)が
十分な咀嚼により促進されます。

唾液は食物を湿らせて一塊にして、嚥下の準備をします。
そして咀嚼して食物を粉砕し、嚥下や消化に適した性状に調整します。

咀嚼によって食物は胃腸への負担を軽減する状態で胃に運ばれます。
さらに、唾液アミラーゼの働きで胃酸の分泌を促し、
胃腸の働きを活発化させます。

消化管粘膜から分泌される消化管ホルモンなどの分泌は、
咀嚼をするほど促進されますが、快感が伴われる必要があります。
それは、食物の美味しさを感じることができるような
豊かな食経験です。

胃腸の活動を活発化させるためにはしっかりと咀嚼することに加えて、
美味しくて楽しい食事を摂ることが大切になってきます。

▼参考文献:日本補綴歯科学会「咬合・咀嚼が創る健康長寿」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g01fewu0bs4p7ze69n0kR
(クリックするとPDFが開きます)

口腔ケア、連携スタート 済生会宇都宮病院、歯科医師会が診療

歯科医師会による病院への歯科医派遣は全国初

 がんなどで手術を受ける患者の合併症リスク軽減を目的に済生会宇都宮病院(宇都宮市竹林町)が新設した口腔(こうくう)ケアで、診療が始まった。診療に当たるのは宇都宮市歯科医師会の歯科医。同医師会によると、歯科医師会による病院への歯科医派遣は全国初で、拠点病院と地域の歯科の連携推進や退院後の患者ケアの充実なども期待される。

 口内には多くの雑菌があるため、体力が低下する手術後には合併症が懸念される。化学療法や放射線療法に伴い、口内炎や口内乾燥といった症状が現れるケースもある。

 口腔ケアでは手術前から専門的な治療などを行い、こうしたリスクの軽減を図る。同医師会が協力することで、退院後の患者の状態などの情報共有化も見込める。

 診療は、口腔ケアに詳しい同医師会の歯科医13人が輪番で対応する。診療時間は月、水、木曜の午前9時~午後5時。初日は手術を控えたがん患者など6人が診療を受けた。

 同病院の小林健二(こばやしけんじ)院長は「合併症を防ぐことで在院日数を短くし、自宅でも安定した生活ができるようになることが目標」と強調。同医師会の北条茂男(ほうじょうしげお)会長は「口から食べ、かむことで免疫力がアップする。経口摂取の大切さを再認識してもらいたい」と期待した。

歯周病強化治療だけで有意な降圧効果

中等度以上の歯周病を合併する高血圧アットリスク例への歯周病強化治療により、標準的なケアに比べ、有意な血圧低下が得られたとのランダム化比較試験(RCT)の成績が明らかになった。米国心臓協会(AHA)が2017年の年次学術集会における発表演題を紹介した。

 研究グループは中等度から重度の歯周病を有する高血圧前症の中国人男女107人を歯周病の標準的ケア(基本的な口腔衛生指導および歯肉線までの歯石除去)または強化治療(標準治療に加え、歯石を歯根まで局所麻酔下で除去し、必要に応じ抗菌薬治療や抜歯を施行)をランダム化割り付けし、その後の血圧の変化を比較した。

 治療1カ月時点から強化治療群の収縮期血圧(SBP)が約3ポイント低下。拡張期血圧(DBP)の有意な低下はなかった。3カ月時点では、強化治療群のSBPは約8ポイント低下、DBPは約4ポイント低下した。さらに6カ月時点では、強化治療群のSBPは約13ポイント、DBPは約10ポイント低下した。

 研究グループによると、歯周組織への積極的な介入だけで血圧の低下、炎症の抑制ならびに内皮機能の改善を得られる可能性を示した検討は初めて。今後は多様な背景因子別の検討が必要と述べている。

歯磨きほめられ

かかりつけの歯科医院から半年ごとの健診はがきが届いたので出かけた。先生は、歯をみて一番に「きれいに磨かれていますね」と言った。この一言で緊張がほぐれてその後の検査や処置もリラックスして受けられた。「歯ブラシや歯間ブラシでしっかり汚れが取れます」と言われたので、「先生の指導通りにやっています」と少し誇らしく答えた。

 いくつになっても、ほめられるとうれしいものだ。健康の源になる大切な歯磨きを頑張って、次の健診でもまたほめられたい。

歯科器具未交換で報酬下げ 院内感染の予防推進

厚生労働省は6日、歯を削る医療機器を患者ごとに交換せずに使い回している歯科診療所に対して、来年4月の診療報酬改定から初診料や再診料を下げる方針を固めた。院内感染の予防推進が目的。厚労相の諮問機関の中央社会保険医療協議会に同日提案し、大筋で了承された。

 歯を削るドリルを取り付ける柄の部分は「ハンドピース」と呼ばれ、口の中に入れるため、患者ごとに交換して高温の蒸気で滅菌することが日本歯科医学会のマニュアルなどで定められている。

 ところが、厚労省の調査で半数近くの歯科診療所で、消毒液で拭くだけだったり、感染症患者と分かった場合のみ交換したりしていることが判明した。

 厚労省は機器の交換や洗浄・滅菌処理の徹底など新たな基準を設けて、使い回しをしている医療機関については、初診料や再診料を引き下げる。基準をクリアした場合は引き上げる。

小学生が自分たちで考えたこれからの歯みがきアイディアを発表

ライオン株式会社は、札幌市、札幌市教育委員会の協力を受け、“いい歯の日”に合わせた11月8日(水)に「Kid’s歯ッカソン in 札幌」発表会を札幌市立苗穂小学校で開催した。

 オーラルケアを考えるこれまでにない新しい取り組みとして企画され、小学6年生の児童たちと全4日8時間の授業を使って行なった。
 
 児童約70名が14のグループに分かれて、自分たちで考えた歯みがきにまつわるアイディアを、寸劇や歌にしたり、試作品を作ったりと工夫を凝らした形で紹介した。

 「小型カメラが付いて、汚れやむし歯が見える歯みがき」や、「寝ている間に自動で磨いてくれる歯みがき」などユニークなアイディアに、アドバイザーとして参加した歯科医師からも絶賛の声があがっていた。

( BIGLOBEニュース 11月9日)

「口腔崩壊」の子 3割の学校に 長崎県保険医協会調査

県保険医協会が県内すべての小中学校、高校、特別支援学校624校の児童生徒の口腔(こうくう)状態を調査したアンケートで、回答した295校のうち31・2%の92校に10本以上の虫歯などがある「口腔崩壊」の子どもがいることが28日、分かった。口腔崩壊の子どもの家庭環境について「経済的困難」を挙げた学校が37%に上り、同協会の黒木正也副会長は「貧困やネグレクト(育児放棄)などが口腔崩壊の要因となっているとみられる」と指摘した。

 アンケートは9月に用紙を送付して実施し、学校での歯科検診を基に答えてもらった。同協会によると、口腔崩壊は、虫歯が10本以上あったり、根っこしか残っていないような未処置の歯が何本もあったりして、咀嚼(そしゃく)が困難な状態を指すという。本年度の歯科検診では、回答した295校のうち92校の214人が口腔崩壊だった。

 口腔崩壊の子どもの家庭環境について複数回答で尋ねたところ、「保護者の健康への理解不足」が最多の53・3%で、次いで「経済的困難」が37%だった。また「共働き」が35・9%、「ひとり親」も30・4%と高く、時間的な余裕がないことも関連しているという。

 自由記述では「乳歯の虫歯が10本以上。十分に咀嚼できず、給食を食べるのに時間がかかっている」「父子家庭。生活環境も身なりも衛生的ではなく、父親とコンタクトをとることが困難」「保護者の中で歯の健康に対する優先順位が低い」などの報告があった。

 一方、回答した295校で昨年度歯科検診を受けた児童生徒6万6803人のうち、37%の2万4703人が虫歯などで受診が必要と診断された。このうち昨年度中に受診しなかったのは1万4601人で半数を超えた。未受診は年齢が上がるごとに高くなり、小学生は47・1%、中学生は62・6%、高校生は77・8%だった。部活や塾で忙しくなることが関係しているとみられる。特別支援学校は58・4%だった。

 黒木副会長は「虫歯は生活習慣と密接に関係している。子どもの歯を守るため社会問題と認識して予防に努めたい」と話している。

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