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ミュータンス菌-血栓形成やがん転移に影響(北大研究)

北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子 教授、間石奈湖 助教、長谷部 晃 教授、北川善政 教授、ユ・リ 博士研究員、藤田医科大学の樋田泰浩 教授らの研究グループは、う蝕の原因細菌によって、遠隔臓器の血管炎症と血栓症が誘導され、がんの転移が増加することを解明した。

 口腔内細菌であるStreptococcus mutans(ミュータンス菌)は、歯周炎などがあると血液循環に侵入して様々な臓器に影響を及ぼすことが報告されている。一方、血管炎症は血栓形成促進に働く。がん患者の合併症として血栓症が知られており、死亡原因として、がんに次いで2番目に多いことが報告されてる。

 本研究で、がん患者の口腔衛生状態を良好に保つことは、がん関連血栓症やがん転移抑制に重要であることが示唆されている。

 研究成果は、2023年12月14日(木)公開の『Cancer Science誌』に掲載。
【歯科通信】

歯周病検診の対象拡大へ-4月以降に20・30歳追加-

 全身の病気リスクに影響する歯周病の患者が若年層でも増えているのを受け、厚生労働省が4月以降、健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢を拡大し、20歳と30歳を追加する方針であることが18日、同省への取材で分かった。

 現行は、乳幼児期と学齢期はそれぞれ母子保健法と学校保健安全法に基づき歯科健診が実施されている。歯周病検診は40歳から10歳ごとに70歳までが対象で、75歳以上は高齢者医療確保法による検診がある。一方、20・30代は国費の検診が手当てされていない。

 令和4年の歯科疾患実態調査によると、歯周病が進行した状態の4ミリ以上の歯周ポケットがある人は15~24歳で17.8%、25~34歳で32.7%と、平成17年調査に対していずれも10ポイント以上増えた。

 高齢者だけでなく若年層にも歯周病の増加がみられることから、令和6年度以降の自治体の歯周疾患検診は、40歳以上と同様に20歳と30歳についても国が費用を補助する。
【メディファクス・共同】

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