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ミュータンス菌-血栓形成やがん転移に影響(北大研究)

北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子 教授、間石奈湖 助教、長谷部 晃 教授、北川善政 教授、ユ・リ 博士研究員、藤田医科大学の樋田泰浩 教授らの研究グループは、う蝕の原因細菌によって、遠隔臓器の血管炎症と血栓症が誘導され、がんの転移が増加することを解明した。

 口腔内細菌であるStreptococcus mutans(ミュータンス菌)は、歯周炎などがあると血液循環に侵入して様々な臓器に影響を及ぼすことが報告されている。一方、血管炎症は血栓形成促進に働く。がん患者の合併症として血栓症が知られており、死亡原因として、がんに次いで2番目に多いことが報告されてる。

 本研究で、がん患者の口腔衛生状態を良好に保つことは、がん関連血栓症やがん転移抑制に重要であることが示唆されている。

 研究成果は、2023年12月14日(木)公開の『Cancer Science誌』に掲載。
【歯科通信】