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歯性感染症が肺の炎症の原因となることがある

敗血症性肺塞栓症は病原体を含む塞栓子が引き起こす稀な血流感染症で、発熱、呼吸困難、胸痛や咳漱などを生じる。原因には注射、カテーテル留置、皮膚軟部組織感染、感染性心内膜炎、血栓性静脈炎、歯性感染症などがある2)3)。敗血症性肺塞栓症の特徴的なCT所見には、30 mm以下の大きさの多発結節、胸膜に隣接した楔状の末梢病変、halo sign、空洞形成、結節中心部への拡張血管の連続(feeding vessel sign)などがある1)3)。

本症例は血液培養で原因菌は同定できなかったが、CT撮影範囲の上端付近で歯周炎(図2)を認めた。歯肉出血の病歴と合わせると、これが感染源と考えられ、抜歯により改善が得られた。撮像して隅々まで確認することで、原因が発見できることもある。

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