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喉の動き把握、嚥下訓練を手助け 帯状センサー搭載のヘルスケア機器開発 バンドー化学

産業用ベルト大手のバンドー化学(神戸市中央区)は、飲食物をのみ下す嚥下(えんげ)機能の回復訓練を手助けするヘルスケア機器「B4S(ビーフォーエス)」を開発した。伸縮性のある帯状のセンサーで喉の動きを可視化し、患者が納得して訓練に取り組めるとして、医療機関や高齢者施設に売り込んでいる。(森 信弘)

 同社は2015年に伸縮性センサーを開発した。足関節のぐらつきや呼吸などを計測でき、医療機器に活用されている。センサーを搭載したヘルスケア機器の販売は初めてで、藤田医科大学と共同開発した。

 B4Sは、本体の帯状センサーを喉に当てて、唾液をのみ込むなどして嚥下能力を測定する。センサーは喉の動きに連動し、伸び縮みを電気信号に置き換えて情報端末に波形で表示する。これにより嚥下の回数や間隔を確認できる。

 加齢で機能が低下すると、食べ物などが細菌とともに誤って気管に入り、肺炎を引き起こす。厚生労働省によると、誤嚥(ごえん)性肺炎は20年の日本人の死因で第6位だった。ただ、機能の回復訓練は、リハビリを支える言語聴覚士らが患者の喉に指を当てて実施することから、嚥下の状態を本人に分かりやすく伝えるのが難しかった。

 情報端末を含むセットで18万円(税別)。同社の担当者は「食べることは人生の楽しみの一つ。嚥下障害や予備軍の人に使ってもらって、生活の質の向上に貢献したい」と話している。

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