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【現時点における日本歯科医師会の考え方】

①国難ともいえる現況に鑑み、医療崩壊を防止するために、歯科医師会として何らかの協力をすることはやぶさかでない。

②本件は、多くの医師や看護師が軽症者の治療や管理等に専従できるようサポートするもので、ひいては重症者に対する医療体制を守ることにつながるものと考える。

③PCR検査体制の増強にあたり、歯科医師の参画がどうしても必要な状況であれば、日本医師会の了解および地域医師会の要請の下に協力する。

④研修については厚生労働省が主体となり、学会等の協力の下に教材製作および実施体制を整備する。日本歯科医師会もEラーニング研修実施等の協力にあたる。なお、手技の実習等については、現場での対応も想定される。

⑤ワークフロー、防御服の確保等の感染防御体制、研修、費用弁償などの概要が分かり次第、都道府県歯科医師会へ改めて通知する。

⑥実際には、病院歯科・口腔外科の歯科医師や、歯科麻酔医等が主たる対象となるのではないか。

⑦それ以外の、歯科医師会会員の協力については、地域における医師会と歯科医師会、地域行政等との連携に基づく対応となる。

喫煙は新型コロナ感染症の悪化をもたらす危険因子 1万人のメタアナリシスから明らかに

日本禁煙学会は7月4日、新型コロナウイルス感染症の悪化と喫煙の関連について行ったメタアナリシスから、喫煙は新型コロナ感染症の悪化をもたらす危険因子であり、喫煙者は生涯非喫煙者よりも新型コロナ感染症の病状悪化の恐れが大きいとの研究結果を学会ホームぺージで報告した。臨床医と公衆衛生専門家は、喫煙に関するデータ収集を臨床管理に組み込み、禁煙推進を新型コロナパンデミック対策に加えるべきと強調している。

 同研究は、20年1月1日から4月28日の間に発表された論文を対象に、 “smoking”, “smoker”、 “characteristics”、“risk factors”、“outcomes”、and “COVID-19”、“COVID”、“coronavirus”、“sar cov-2”、“sar cov 2“を検索用語としてPubMed 検索を行った。解析のエンドポイントはCOVID-19の病状が重症化、重篤化あるいは死亡への進展とした。

 19 本のピアレビュー論文から1万1590人の新型コロナウイルス患者を抽出。重症者は 2133人(18.4%)で、731人(6.3%)に喫煙歴があった。病状が悪化した者は喫煙歴のある人の29.8%(218人)、喫煙歴のない人では 17.6%だった。メタアナリシスの結果、喫煙と新型コロナ感染症の悪化には有意の関連が見られた(オッズ比 1.91、95%信頼区間 1.42-2.59, p = 0.001)。この結果、19本の論文のリミテーションを考慮すると、喫煙による悪化のリスクはさらに高いと思われると分析している。

 この結論について、喫煙は新型コロナウイルス感染症を悪化させると指摘。臨床医と公衆衛生専門家は喫煙に関するデータを収集すべきとした。また、電子タバコも呼吸器に影響を与えることから、臨床診療にあたっては電子タバコ使用データも収集することが必要で、新型コロナ感染症パンデミックをコントロールする対策の一つに禁煙および電子タバコ使用中止の勧奨も加えるべきと強調している。

 なお日本禁煙学会は、タバコを吸うと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患しにくいと主張する論文や見解がインターネットに掲載されていることを問題視。「タバコが新型コロナウイルス感染症に対して予防や治療の効果があるという論文にご注意ください」と呼びかけている。

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