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喫煙は新型コロナ感染症の悪化をもたらす危険因子 1万人のメタアナリシスから明らかに

日本禁煙学会は7月4日、新型コロナウイルス感染症の悪化と喫煙の関連について行ったメタアナリシスから、喫煙は新型コロナ感染症の悪化をもたらす危険因子であり、喫煙者は生涯非喫煙者よりも新型コロナ感染症の病状悪化の恐れが大きいとの研究結果を学会ホームぺージで報告した。臨床医と公衆衛生専門家は、喫煙に関するデータ収集を臨床管理に組み込み、禁煙推進を新型コロナパンデミック対策に加えるべきと強調している。

 同研究は、20年1月1日から4月28日の間に発表された論文を対象に、 “smoking”, “smoker”、 “characteristics”、“risk factors”、“outcomes”、and “COVID-19”、“COVID”、“coronavirus”、“sar cov-2”、“sar cov 2“を検索用語としてPubMed 検索を行った。解析のエンドポイントはCOVID-19の病状が重症化、重篤化あるいは死亡への進展とした。

 19 本のピアレビュー論文から1万1590人の新型コロナウイルス患者を抽出。重症者は 2133人(18.4%)で、731人(6.3%)に喫煙歴があった。病状が悪化した者は喫煙歴のある人の29.8%(218人)、喫煙歴のない人では 17.6%だった。メタアナリシスの結果、喫煙と新型コロナ感染症の悪化には有意の関連が見られた(オッズ比 1.91、95%信頼区間 1.42-2.59, p = 0.001)。この結果、19本の論文のリミテーションを考慮すると、喫煙による悪化のリスクはさらに高いと思われると分析している。

 この結論について、喫煙は新型コロナウイルス感染症を悪化させると指摘。臨床医と公衆衛生専門家は喫煙に関するデータを収集すべきとした。また、電子タバコも呼吸器に影響を与えることから、臨床診療にあたっては電子タバコ使用データも収集することが必要で、新型コロナ感染症パンデミックをコントロールする対策の一つに禁煙および電子タバコ使用中止の勧奨も加えるべきと強調している。

 なお日本禁煙学会は、タバコを吸うと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患しにくいと主張する論文や見解がインターネットに掲載されていることを問題視。「タバコが新型コロナウイルス感染症に対して予防や治療の効果があるという論文にご注意ください」と呼びかけている。