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口腔ケアと肺炎予防

肺炎の発症メカニズムには「口腔・咽頭の細菌叢」、「誤嚥」、そして「個体(患者)の抵抗力」が関与する。かねてより、看護や介護の現場では口腔ケアの実践によって、肺炎の発症を抑えうることが経験的に知られていた。しかし、その抑制率などについてはっきりとしたEBMが得られていたわけではなかった。そこで、Yoneyamaらは介入疫学研究によってその効果を明確に示した。この研究は、全国11ヵ所の介護老人福祉施設の入所者を対象に行われ、歯科医療者によって口腔ケアを積極的に行った口腔ケア群と今までどおりの口腔ケアにゆだねた対照群の間で期間中の発熱発生率、肺炎発症率、肺炎による死亡者数を比較している。その結果、25ヵ月間にわたって検討が行われ、肺炎の発症率を40%に減少させ、肺炎による死亡者数をも50%に減少させたことを示している。

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