特養で、口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防の効果を上げている。施設利用者の口腔内環境を改善するために、歯科衛生士が独自のケア方法を介護職員に指導し、施設では導入後、誤嚥性肺炎による入院がゼロになった。(北陸中央新聞)
口腔ケアは、多くの施設が取り入れているが、専門知識を持つ歯科衛生士が指導している施設は、少ない。歯科衛生士が利用者の状態に合わせて指導したり、筋肉を刺激して唾液を出すマッサージなどがあり、介護職員に方法を伝えている。
特養で、口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防の効果を上げている。施設利用者の口腔内環境を改善するために、歯科衛生士が独自のケア方法を介護職員に指導し、施設では導入後、誤嚥性肺炎による入院がゼロになった。(北陸中央新聞)
口腔ケアは、多くの施設が取り入れているが、専門知識を持つ歯科衛生士が指導している施設は、少ない。歯科衛生士が利用者の状態に合わせて指導したり、筋肉を刺激して唾液を出すマッサージなどがあり、介護職員に方法を伝えている。
2020年の歯科医療費の対前年同期比で、4月は17.5%減、5月は17.3%減とマイナスが著しかったが、6月4.7%減、7月0.5%減、8月3.1%増、9月1.5%増とプラスに転じている。医療費の動向(メディアス)のデータを基に、休日数などの補正を行なったもので、12日にオンライン上で開かれた社会保障審議会の第140回医療保険部会で示された。
メディアスによる20年の歯科医療費の対前年比(補正前)は、4月15.3%減、5月15.8%減、6月0.2%減、7月4.0%減、8月0.9%増、9月5.0%増だった。
(日本歯科新聞)
日清オイリオは、食物を飲み込みやすくする介護食作りで、トロミ調整食品の活用を推奨している。家族の4割は、誤嚥のはじめとする要介護者の食べることの配慮に特に行っていないことなどから、専門家のサポートや口腔ケア、噛むこと、飲み込むことなどに対する家族の関心を高める必要がありそうと指摘している。
介護を受ける高齢者は、噛む力や飲み込む力が弱く、食物が気管などに入ってしまう誤嚥を引き起こす心配がある。とはいえ、やわらかく煮込んだりする調理の手間は負担が大きい。
介護食作りに関する実態調査によると、家族の69%が介護食作りを大変だと回答した。また、要介護高齢者の食べることに対する配慮を特に行っていないとする割合は、39%に上った。家族が悩んでいる実態が浮き彫りになった。(福祉ニュース)
有病率は年齢とともに増加、口呼吸やアレルギー性鼻炎などとの関連を示唆
全国における66の小児歯科を専門に診療をしている歯科医院において、定期的に歯科医院を受診している3歳から12歳までの3,399人の子どもを対象とした。日常の健康状態や生活習慣に関する44の質問からなるアンケートの回答を保護者に依頼。集計結果を年齢と全国を6つの地域に分けて、お口ぽかんの有病率に年齢差や地域差があるかどうかを検討した。
その結果、日本人の子どもたちの30.7%がお口ぽかんを示し、お口ぽかんの有病率は年齢とともに増加していた。また、子どものお口ぽかんの割合に地域差はみられなかった。44の質問項目のうち「唇にしまりがない」「鼻がつまる」「音を立てて食べる」など12の質問項目がお口ぽかんと関連していた。このことから、顎顔面の形態や位置だけでなく、口呼吸やアレルギー性鼻炎などが関連していることが示唆された。
小児は「口腔機能発達不全症」として保険診療の対象に
近年、子どもの口の健康な発達がとても重要であることが、徐々に明らかになってきている。これまで研究グループが行った小児のお口ぽかんに関する研究成果などがエビデンス(科学的根拠)として認められ、歯科保険診療において、2018年4月から「口腔機能発達不全症」に関する新病名のもと、「小児口腔機能管理加算」が保険収載された。また、2020年4月からは「小児口腔機能管理料」と「小児口唇閉鎖力検査」が新設され、お口ぽかんが保険診療の対象となった。このことは、従来の歯科治療の中心であった虫歯治療などの硬組織形態に関する疾患-修復モデルから、「食べる」「話す」「呼吸する」といった口腔機能に関する障害-改善モデルへのシフトが徐々に進んできていることを意味する。
今回の研究結果から、子どものお口ぽかんは、成長期において自然治癒が難しい疾病であると考えられた。今後、お口ぽかんの病態解析や改善法の確立などにより、お口ぽかんに対するガイドラインの策定が必要となる。「子どもの口の健やかな成長発育を目指し、より一層食べる、話す、呼吸するといった子どもの口腔機能に関する基礎・臨床的な研究を推進していきたい」と、研究グループは述べている。
「お口ぽかん」は、鼻から下の顎の大きさの増加や悪い歯並びなどと関連
新潟大学は2月17日、日本で初めて口唇閉鎖不全(お口ぽかん)に関する全国大規模疫学調査を行い、小児における同疾患の有病率を明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野の齊藤一誠准教授らと、大垣女子短期大学歯科衛生学科の海原康孝教授および鹿児島大学病院小児歯科の稲田絵美講師らの共同グループによるもの。研究成果は、「Environmental Health and Preventive Medicine」に掲載されている。
全身的および局所的な要因により、顎顔面の成長と発達が妨げられると、小児期に口や顔面の骨格、筋肉などの軟組織、咬合(かみ合わせ)、および歯列弓(歯並び)に不均衡が生じる。特に、異常な話し方や嚥下習慣、舌を突出する癖、お口ぽかん、口呼吸、および異常な食習慣などの口腔習癖は、子どもの口の健康な発達に深刻な悪影響を及ぼす。中でもお口ぽかんは、口唇や顔の表情筋の弛緩と過緊張、口呼吸、不自然な口唇の長さや鼻から下の顎の大きさの増加などと関連していることが明らかになっている。また、口唇の形態・機能・位置はそれぞれ密接に関連しながら発達し、徐々に話し方や対人コミュニケーション能力を向上させる。
一方、口唇を閉じる力である口唇閉鎖力が弱くなると、歯を取り囲んでいる口唇・頬と舌の圧力のバランスが崩れ、上の前歯が前方に傾いて突き出たり(上顎前歯の唇側傾斜)、上の左右の奥歯の幅が狭く(上顎歯列弓の狭窄)なったりする。つまり、お口ぽかんと悪い歯並びには密接な関連がある。
これまでの国内の小規模な横断的研究では、お口ぽかんの有病率は年齢とともに低下することが報告されている。また、お口ぽかんの有病率は、人種や生活環境などによっても異なる場合があるが、日本における子どものお口ぽかんの有病率を評価する全国的で大規模な調査は過去になかった。そこで研究グループは全国的な大規模疫学研究において、お口ぽかんの有病率が年齢や地域によって異なるかどうかを検証し、どのような要因がお口ぽかんに関連しているかを調査
【モスクワ共同】ロシアの新型コロナウイルス感染症のワクチン「スプートニクV」を開発した国立研究所の研究者らが、臨床試験(治験)最終第3段階の中間結果を検証する論文をまとめ、発症を防ぐ91・6%の有効性が確認されたと英医学誌ランセットで2日に発表した。同ワクチンは高品質で深刻な副作用を引き起こさず、体内に有効な免疫を形成すると評価している。
ロシア政府は昨年8月、スプートニクVを新型コロナワクチンとして世界で初めて国家承認したが、3段階ある臨床試験の第2段階で承認に踏みきったため、安全性や品質に懸念が出ていた。
対象となったのは昨年9月から11月までの間に、本物のワクチンと偽薬の接種を2回受けた1万9866人。発症しても症状は軽く、ワクチン接種による深刻な副作用もなかった。持病がある人や、60歳以上の人も接種を受けたが、特に問題はなかったという。
スプートニクVの開発者は、ワクチン接種でできる免疫は「2年以上効力を維持する」との見方を示している。
ロシア政府は同ワクチンの輸出を積極的に進めており、現在までに旧ソ連、中東、中南米諸国など約20カ国が承認し、接種が進んでいる。
ジンジバリス菌の感染が骨格筋の代謝異常を惹起。
歯周病が糖尿病の病態を悪化させる機序の一つに、インスリン抵抗性の惹起が挙げられるが、インスリン依存的に糖の取り込み、代謝を行う組織である骨格筋との関連は解明されていなかった。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病分野の片桐さやか講師、佐賀大学医学部付属病院肝疾患センターの高橋宏和特任教授らの研究グループは、骨格筋組織の脂肪化に着目し、歯周病原細菌の血清抗原体価との関連を調査した。
その結果、メタボリックシンドローム症候群の患者において、骨格筋脂肪化マーカーとジンジバリス筋の血清抗体価が有意に相関していることが判明。また、ジンジバリス菌を投与したマウスでは腸内細菌叢の変化を伴い骨格筋の炎症関連遺伝子群が上昇、脂肪化が亢進しインスリンシグナルの低下とともに糖の取り込みが阻害されていることを見出した。