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口蓋裂 葉酸で発症抑制か…阪大チーム たんぱく質働き 発見

口内の上あごに鼻腔につながる穴ができた状態で生まれる「口蓋裂」の発症に関わるたんぱく質の働きを発見したと、大阪大のチームが発表した。マウスの実験でビタミンの一種「葉酸」がこのたんぱく質の働きを促して発症を抑えたといい、予防法の確立につながる可能性がある。論文が国際科学誌に掲載された。

 口蓋裂は、妊娠7~8週頃に胎児に何らかの異常が生じ、上あごの組織がくっつかずに穴になって残る先天性疾患。食べ物が鼻に流れたり、発声が難しかったりし、成長に応じて手術などを受ける必要がある。上唇が左右に開いた状態で生まれる「口唇裂」と合わせて約500人に1人の割合で生まれるとされる。

 大阪大の山城隆教授(歯科矯正学)らのチームは、細胞の増殖や変化を制御するたんぱく質「STAT3」に着目。STAT3の働きを抑える薬を与えたマウスの胎児の上あごを調べると口蓋裂の特徴が表れた一方、同じ薬と葉酸を与えた別のマウスでは発症しなかった。

 葉酸は胎児の脳や脊髄の形成に関わるとされ、先天異常の予防策として厚生労働省がサプリメントなどの摂取を推奨している。山城教授は「妊娠早期からの葉酸サプリメントの摂取で口蓋裂も予防できる可能性がある」と話している。

 東京医科歯科大の井関祥子教授(発生生物・先天異常学)の話「口蓋裂と葉酸の関連性を示した意義のある報告だ。今後は葉酸が影響するメカニズムを詳細に分析する必要がある」

歯周病ケアの必要性:歯周病菌の脅威、歯周病と腸内細菌の関係 歯周病菌を意識したオーラルケア

天野氏は、口腔内の
ケアについて、丁寧に
歯みがきをする人でも、
汚れを完全に落とすこ
とは難しいと説明しま
した。
歯周病について、「静
かなる病気」と言われ
ており、成人の約 7 割
が歯周病に罹患していると述べるとともに、厚生労働省の歯科疾患実態調査では歯周病の
罹患者が増加していることを話しました。また、「歯周病セルフチェック」リストを紹介
し、実際に桐村氏と上田氏も回答し、上田氏は、「チェックがたった一つあるだけで、歯
周病の可能性があるのですね」とコメントしました。その上で、天野氏は歯周病のメカニ
ズムを説明するとともにがんや動脈硬化性疾患、糖尿病など多くの全身疾患と関連性があ
ることを具体的に話しました。

腸に到達する歯周病菌を防ぐ!歯周病のリスクとオーラルケア

日本歯科医師会(以下、日歯)は 10 月 24 日、「歯と口の健康シンポジウム 2023」(協
賛:パナソニック株式会社)をオンライン配信で開催しました。
テーマは「腸に到達する歯周病菌を防ぐ!歯周病のリスクとオーラルケア」で、天野敦
雄氏(大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学講座教授)、桐村里紗氏(内科医・認定産業
医)、上田まりえ氏(MC・タレント)の 3 名によるトークセッションや歯を健康に保つた
めのブラッシング講座などを実施しました。
主催者挨拶で日歯の高橋英登会長は、健康で長生きし、人生
の最期の日まで「自分の口でおいしく食べることができるよう
にすること」が日歯の大きな役割と考えていると述べました。
また、骨太の方針 2023 において、「生涯を通じた歯科健診(い
わゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進」等が明記され、
健康で長く社会で活躍する高齢者が増えていくためには、歯と
口の疾病予防が未来の日本の発展を左右する鍵になると強調し
ました。その上で、これからも国民の健康を口腔からしっかり
支えていきたいと話しました。

【診療用放射線の安全利用のための研修(Web)開催の事前登録のご案内】

令和2年4月1日に施行された「診療用放射線に係る安全管理体制に関する規定」の歯科診療所に求められる対応の一つの「放射線診療に従事する者に対する診療放射線の安全利用のための研修の実施」に該当します。普段の診療に活かせるよう、ぜひご受講ください。

日時:令和5年11月25日(土)15:00~16:30
   申込締切:令和5年11月10日(金)〆切厳守
演題:診療用放射線を安全に使用するために―診療用放射線に係る安全管理体制に関する規定に基づいて―
講師:北海道大学大学院歯学研究院 口腔病態学分野放射線学教室 教授 箕輪和行

申込URL⇒ https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_BNR6cpgHREWUh0Od5tq2Fg

※申込締切日の令和5年11月10日(金)以降に申込された場合、紙資料の送付対応はいたしかねますのであらかじめご了承ください。
※受講についての詳細は『道歯会通信』令和5年10月号をご確認ください。

「デンタルミーティング in 北海道」

10月6日(金)札幌プリンスホテルにおいて、日本歯科医師連盟主催による「デンタルミーティング in 北海道」を開催した。
 今回は初の試みとして2部構成とし、第1部では道歯連役員・評議員に加えて、道歯会員および歯科技工士連盟、歯科衛生士連盟、歯科用品商協同組合各役員が一堂に会した。 

 藤田道歯連盟会長が座長となる対談形式で、高橋英登 日歯会長と太田謙司 日歯連会長があらかじめ用意された質問―「会員増強に対する考え」「日歯と日歯連盟一体化への考え」「国民皆歯科健診への考え」―に対して、それぞれの団体の役割とその必要性について説得力のある熱い回答を示した。

 第2部では上記(道歯会員をのぞく)に加えて北海道知事の鈴木直道 氏と北海道選出国会議員および北海道議会議員が参加し、日歯連顧問の山田 宏 参議と比嘉奈津美 参議による力強い講演があり、歯科医療政策の重要性を訴えた。


※詳細は連盟ニュース(令和6年1月)に掲載の予定

大腸がんに歯周病菌がいる!

大腸がんに歯周病菌がいる!
───────────────────────
[研究のポイント]
☆先行研究にて口腔内のフソバクテリウム ヌクレアタム(歯周病の原因菌の一つ) と同一菌株が大腸がん組織から検出されることを発見
☆熟練した分離・培養スキルに加え、時間およびコスト面でも課題があったが、CRISPR-Cas システムに着目し菌株レベルで識別する方法を確立
☆大腸がんの予防や再発防止などの研究に飛躍的な進歩をもたらすことが期待

https://journals.asm.org/doi/10.1128/spectrum.05123-22

キャッシュレス支払い「差支えない」 ― 厚労省

9月29日、厚労省は医療機関などにおける一部負担金の支払いにおいて、現金と同様の支払い機能を持つクレジットカードや、一定の汎用性のある電子マネーによる支払いを利用することは「患者の利便性向上、医療機関等における事務の効率化の観点から差し支えない」とする事務連絡を発出した。

 ポイントの付与は、あくまで当面やむを得ないものとして認めるとしている。
 ただし、以下の(1)から(3)までのいずれかに該当する医療機関等については、口頭による指導を行い、その上で改善が認められない事例については、必要に応じ個別指導が行なわれる。(1)ポイントを用いて一部負担金を減額することを可能としているもの (2)一部負担金の1%を超えてポイントを付与しているもの (3)一部負担金に対するポイントの付与について大々的に宣伝、広告を行なっているもの。
【歯科通信】

参議院選挙組織代表 推薦申請は比嘉奈津美 氏のみ

■ メルマガニュース
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キャッシュレス支払い「差支えない」 ― 厚労省
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 9月29日、厚労省は医療機関などにおける一部負担金の支払いにおいて、現金と同様の支払い機能を持つクレジットカードや、一定の汎用性のある電子マネーによる支払いを利用することは「患者の利便性向上、医療機関等における事務の効率化の観点から差し支えない」とする事務連絡を発出した。

 ポイントの付与は、あくまで当面やむを得ないものとして認めるとしている。
 ただし、以下の(1)から(3)までのいずれかに該当する医療機関等については、口頭による指導を行い、その上で改善が認められない事例については、必要に応じ個別指導が行なわれる。(1)ポイントを用いて一部負担金を減額することを可能としているもの (2)一部負担金の1%を超えてポイントを付与しているもの (3)一部負担金に対するポイントの付与について大々的に宣伝、広告を行なっているもの。
【歯科通信】
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大腸がんに歯周病菌がいる!
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[研究のポイント]
☆先行研究にて口腔内のフソバクテリウム ヌクレアタム(歯周病の原因菌の一つ) と同一菌株が大腸がん組織から検出されることを発見
☆熟練した分離・培養スキルに加え、時間およびコスト面でも課題があったが、CRISPR-Cas システムに着目し菌株レベルで識別する方法を確立
☆大腸がんの予防や再発防止などの研究に飛躍的な進歩をもたらすことが期待

https://journals.asm.org/doi/10.1128/spectrum.05123-22


【山田宏のデンタルマガジン-Evidence Check!-】

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参議院選挙組織代表 推薦申請は比嘉奈津美 氏のみ
 ― 太田日歯連会長らが東海信越地区で報告
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 参議院議員選挙の日本歯科医師連盟の組織代表として推薦があったのは現職の比嘉奈津美 氏のみー。都道府県歯科医師連盟からの推薦申請が20日に締め切られ、日歯連の太田謙司 会長から報告があった。
 太田会長は、「20日時点で各都道府県の連盟には伝えた」と前置きした上で、沖縄県歯連盟から比嘉奈津美 氏の推薦があったと紹介。
 浦田理事長は27日に第2回の選考委員会で今後について協議する旨と、最終的には12月7日の臨時評議員会で組織代表が決定する予定となっていると説明した。

 同協議会の来賓あいさつでは、日歯連顧問の山田 宏 参議院議員と比嘉議員も登壇。
 山田議員は「2年務めた厚生労働委員長から離れ、比嘉先生が委員長として来週月曜日から仕事に入る」「私はこの前まで島村 大 先生が務めていた厚生労働委員会の筆頭理事として委員会の運営にあたる」と報告。

 比嘉議員は、「国会議員の皆さんに歯科への理解を深めるために取り組んでいきたい」と強調。「我われ自民党を支えていただくことが、歯科の医療政策にいい流れとなり、実現のための大きな力になると信じていただきたい」と話した。
【歯科通信】

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