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高校生ら歯科衛生士の仕事体験 三重県立公衆衛生学院で体験会 津

三重県立公衆衛生学院は7月31日、津市夢が丘一丁目の同校で体験入学会を開いた。入学を希望する高校生や保護者など約110人が訪れ、在校生から指導を受けながら歯科衛生士の仕事を体験した。

 同校によると、同校は昭和49年創立の専門学校で、現在は3年制の歯科衛生学科1学科があり、同科の卒業生全員が歯科衛生士の国家試験に合格している。体験入学会は歯科衛生士について知ってもらう目的で年1回開いている。

 この日参加した高校1―3年の女子生徒約60人は、歯の模型を使用して歯科衛生士の仕事を体験。実際に治療の現場で使われている粉を用いて歯型を取ったり、虫歯治療で空いた穴に仮の詰め物を入れたりした。

 また、患者役となって同校の3年生から虫歯検査や歯みがきの指導を受けたほか、在校生から学校生活や入試に関する話を聞いていた。

 参加した私立津田学園高3年の森蔭ゆりなさんは「歯型を取るのが難しかった。学生のみなさんが明るく優しくて、自分もこんなふうになりたい」と話した。

人工透析患者 口腔管理で脳心血管病や感染症のリスクが低下

人工透析患者は、歯科未受診の人よりもメンテナンスを受けている人の方が、脳心血管病や肺炎などの感染症発生リスクが低い。東京医科歯科大学の研究グループが、順天堂大学との共同研究で明らかにした。
 
 人工透析患者は、年間粗死亡率が高く、脳心血管病と感染症が主な死因といわれている。研究グループは人工透析患者のレセプトデータを、「歯科未受診群」「歯科治療群」「メンテナンス群」に分類。脳心血管病の発生は急性心筋梗塞、心不全、脳梗塞の発生、感染症は肺炎もしくは敗血症の発生と定義して分析した。
 
 結果、メンテナンス群では、脳心血管病の発生と感染症の発生が未受診群と比べて有意に低いと判明。特に肺炎については、メンテナンス群だけでなく、歯科治療群も未受診群と比べて有意に低いことが分かった。
【歯科通信】

日本歯科医師連盟主催 シティデンタルミーティング開催

「国民皆歯科健診に向けた取り組みの推進」が政府の骨太の方針に連続して盛り込まれていることや、一昨年5月に実施された歯科用貴金属価格の緊急改定、令和6年度診療報酬改定における改定率(歯科+0.57%)などは、連盟活動が大きな影響を及ぼしています。

 このたび日本歯科医師連盟役員・顧問による「政治活動の重要性」の普及・啓発、デンタルファミリーの紐帯強化を通し、歯科界の発展につなげていくことを目指し標記ミーティングを開催します。

 会員・スタッフ・デンタルファミリーなど多数の方のご出席をお願いいたします。

「シティデンタルミーティング in 旭川」
日 時:令和6年9月6日(金)18:30~19:45
場 所:旭川歯科医師会館(旭川市金星町1丁目1-52)
「シティデンタルミーティング in 北見」
日 時:令和6年9月7日(土)12:00~13:15
場 所:ホテル黒部(北見市北7条西1丁目)


講師:日本歯科医師連盟顧問
参議院議員 山 田   宏
参議院議員 比 嘉 奈津美

金パラ告示価格 9月から1グラム3,045円に 歯科用貴金属価格の随時改定で

歯科鋳造用金銀パラジウム合金の告示価格が9月から1グラム3,045円と、現在より285円引き上げられる。17日の中医協総会で報告されたもので、歯科用貴金属9品目全ての価格が引き上げられる。

 特に「歯科鋳造用14カラット金合金インレー用」「同鉤用」「歯科用14カラット金合金鉤用線」は1,068円増となっている。なお、随時改定は、6月の診療報酬改定までは1月、4月、7月、10月に行われていたが、今後3月、6月、9月、12月に行われる。
【歯科通信】

たん吸引不十分ケア児死亡 岩手医大病院で医療事故

岩手医大病院(岩手県矢巾町)は30日、重い障害で体をほとんど動かせない10代男性が小児病棟に入院中の昨年10月、たんの吸引が不十分だったため窒息し、低酸素血症で死亡する医療事故が起きたと発表した。付き添いの母親が不在時に発生し、病院は吸引などの介助が日常的に必要な「医療的ケア児」に対する理解不足などが背景にあったと説明した。

 外部有識者を含む医療事故調査委員会の報告書によると、男性は昨年10月16日、発熱のため入院。同18日、母親はケアの内容や注意点を書いたメモを病院スタッフに渡して一時帰宅した。翌19日に男性の酸素飽和度が下がったため、看護師が酸素投与を増やし、口や鼻からたんを吸引したが、呼吸のため喉に開けた「永久気管孔」からは吸引していなかった。この看護師が別の患者を処置しているうちに男性は心肺停止となり同日死亡した。

 調査委は、病院に対して医療ケアに関する教育や、付き添い家族との情報共有が不足していたと指摘し、改善を求めた。

障害者、マイナ保険証苦慮 取得に困難、周囲は懸念 健常者想定の機器で負担増

保険証廃止を12月2日に控え、デジタル対応を求められた障害者から憤りの声が上がっている。健常者を想定した機器への対応は困難で、前提となるマイナンバーカード取得にも苦慮する。政府は「誰一人取り残されない」デジタル化を掲げるが、手厚い対応は期待できず、患者から法曹界まで幅広く反発。障害者の家族や医療機関も負担増を懸念している。

 ▽覚えられず

 「保険証を残す、この一点しかない」。6月16日、障害者や医療関係者らの29団体でつくる「『保険証をのこして』ネットワークふくおか」が福岡市で集会を開いた。

 約140人の参加者を前に「軽度外傷性脳損傷患者・家族会」の山下(やました)いづみ代表は、高次脳機能障害がある患者は「記憶障害でIDやパスワードを覚えられない」と指摘。マイナンバーカードの利用は困難で、現行保険証の存続を訴えた。

 同様の集会は神奈川や京都、沖縄など他府県でも行われている。また、昨年11月には日弁連が意見書を総務省やデジタル庁などに提出。同12月には全国保険医団体連合会が抗議声明を出した。

 ▽作らない

 脳性まひで車いすを利用する埼玉県熊谷市の山崎和子(やまざき・かずこ)さん(68)は数年前、マイナカード申請の際、車いすのヘッドレストが写り込んだ顔写真は不適切として、証明写真用の椅子に座り、再撮影するよう求められた。

 しかし、脳性まひで首から下は自由に動かせないため、普通の椅子では姿勢を維持できず、倒れてしまう。何度説明しても聞き入れられず「障害者差別だ。私は作らない」と決めた。

 障害者団体などでつくる「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」(東京)によると、マイナ保険証の利用に対しても、脳性まひなどで体が勝手に動いてしまう不随意運動のため「首が震えて顔認証機能が使えない」「視覚障害で暗証番号を入力できない」などと、不満を訴える声が多数寄せられている。

日本宇宙歯学研究会:宇宙歯学初総会 「楽しい研究に」 愛知学院大で /愛知

宇宙環境が口腔(こうくう)内に及ぼす影響などを研究する「日本宇宙歯学研究会」の初の総会が名古屋市千種区の愛知学院大楠元キャンパスであった。

 研究会では、宇宙での長期滞在者や、民間人の宇宙旅行者が現れる中、宇宙空間が口腔細菌に及ぼす影響や、低重力が口腔周辺の筋肉に与える影響などを各地の歯科大などが参加して共同で進める。

 総会には全国の歯科大学関係者らが会場とオンラインで集合。同大大学院歯学研究科長で研究会代表理事の前田初彦教授が、「わくわく楽しい研究にしたい」と意気込んだ。今後の研究について「各大学の特色を持った研究をしてほしい。宇宙での生活をより快適にするだけでなく、地球上の歯科医療技術も革新したい」と述べた。

 総会後、JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士健康管理グループの樋口勝嗣主任医長が講演した。国際宇宙ステーションで歯科問題が発生した場合、クルーだけで対応できるよう訓練を受けているという。今後の月・火星探査ミッションは長期にわたるとして、「歯科の予防措置を長期に講じる技術が必要だ」と話した。

歯科用レジンセメントの取り残しが歯周組織の炎症を引き起こす機序を解明。

セラミック治療の接着剤として使われる歯科用セメントの取り残しが歯周組織の炎症を引き起こすことがしばしば問題になっている。今回、東北大学大学院歯学研究科次世代歯科材料工学講座の近藤威助教および江草宏教授らの研究グループが、取り残したセメントが歯周組織の炎症を引き起こすメカニズムを解明した。

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