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障がい者歯科の近未来の問題点  総務担当理事 坂本直幸

「骨太の方針2025」において、障がい者歯科は主に「国民皆歯科健診」の推進、歯科医療提供体制の強化、そしてQOL向上の観点から重要な位置付けがなされている。
障がい者歯科の近未来の問題点は[1]患者の高齢化に対する対応、[2]地域間での歯科診療体制の格差、[3]全身麻酔など高度な専門的治療の待機期間の問題など3点に集約される。

[1] 知的障害などの場合、健常者よりも早期に老化が進行する傾向にあり、それに伴う口腔機能低下(摂食嚥下障害など)への対策、そして全身疾患(誤嚥性肺炎や認知症など)の併発への対策が必要である。
[2] 地方では専門的なケアを受けられる施設への移動が大きな負担となっている。そして多くの障がい者が身近な歯科医院での受診を希望しているが、設備が不十分な事やスタッフの不足により、受け入れが困難なケースが依然として多く存在している。
[3] 全身麻酔や静脈鎮静法を用いた歯科治療は歯科麻酔科医や専門の衛生士が常駐する病院や、歯科医療センターに限定されている為、数か月待ちが常態化している。

障がい児(者)が地域で安心して暮らせる為には、歯科医療提供体制の強化、すなわち上記3点の問題解決が急務であると考える。