東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の藤田美枝子 修了生、竹内研時 准教授、小坂 健 教授らの研究グループは、高齢者約2万人の調査データを分析した。
その結果、オーラルフレイルの有病割合が、教育年数が9年以下の群では13年以上の群に比べて1.45倍、等価所得が200万円未満の群では400万円以上の群に比べて1.38倍高いことが明らかになり、オーラルフレイルの社会経済格差が明らかになった。
一方、歯の本数を20本以上に保つことで、教育年数の少なさや等価所得の低さに起因するオーラルフレイルのリスク上昇を、それぞれ約28%、約13%軽減できることが示された。
このことから、生涯を通じて歯の喪失を予防することは、高齢期の口腔の健康格差を部分的に是正する可能性が示唆された。2025年8月27日付で「Journal of Oral Rehabilitation」に掲載。
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