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海部郡内 医科と歯科連携 医師会など3者が協定

 海部郡内の医師会と歯科医師会、県立海部病院(牟岐町中村)の3者が、郡内での医科歯科連携推進に関する協定を締結した。医師が歯科の受診を積極的に勧めたり、住民に口腔(こうくう)ケアの重要性を啓発したりする。県病院局によると、地域単位での医科と歯科の連携協定は県内では珍しい。

 協定では▽口腔ケアの促進と医療や介護が一体となった地域包括ケアシステムの推進▽患者への両科の治療情報の提供や患者情報の共有▽住民が両科のかかりつけ医を持つよう啓発▽連携の取り組みの検証や研修―などを積極的に図るとしている。

 歯周病などの口腔疾患は、肺炎や心筋梗塞などの原因となる。口腔環境を清潔に保つと、これらの疾病リスクを軽減できる。近年の医療業界では、人体の入り口である口腔ケアが全身の健康につながるという考えが主流になっている。

 海部病院でも本年度から歯科衛生士の雇用を開始。2021年6月には県病院局と県歯科医師会が連携を進める協定を締結した。この協定が契機となり、郡医師会が郡歯科医師会に連携を提案し、今回の協定締結となった。

 11月18日に海部病院で3者の代表が協定書に署名した。同病院の影治照喜(てるよし)副院長は「医科と歯科の連携はこれまでも取り組んできたが、より協力できる体制を整えたい」と述べた。