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高齢者の孤独死がコロナ前より倍増 25人(17~19年度)→56人(20~22年度)、関連は不明 鹿児島市

鹿児島市は11日、2020~22年度に孤独死した1人暮らしの高齢者が計56人だったと明らかにした。市地域福祉課によると、新型コロナウイルスが感染拡大する前の17~19年度は計25人で2倍以上に増えた。市議会個人質問への答弁。

 死者数は20年度10人、21年度23人、22年度23人。孤独死に関する国の定義や統計はなく、「65歳以上の1人暮らしで誰にもみとられずに亡くなり、死後2日以上たって発見され、市町村が把握したもの」という鹿児島県独自の定義に準じている。

 同課は「孤独死数の増加とコロナ禍の関連については、分析できていない」と説明した。

 市は金融機関やガス会社など3事業所と見守り活動の連携協定を結んでいる。20~22年度は県と協定を結ぶ1事業所を含めた4事業所から計52件の通報があった。配達員が新聞がたまっていることに気付き、屋内で倒れていた住民が一命をとりとめたケースもあったという。

 市長寿支援課は24年度、高齢者が万が一に備えて家族らと話し合うきっかけとして、エンディングノートの無料配布を検討している。相続や葬儀の希望、家族の緊急連絡先などを記入できる。市役所の窓口や医療機関、福祉施設に置く予定となっている。