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【佐賀】過疎地医療に向き合う姿勢と覚悟が評価され「第10回やぶ医者大賞」受賞‐阿部智介・七山診療所所長に聞く

 “やぶ医者の語源が、養父の名医”である説にちなみ、若手医師の育成と医療過疎地域の医師確保および地域医療の発展に寄与することを目的とした「第10回やぶ医者大賞」(兵庫県養父市主催)に七山診療所(唐津市)で所長を務める阿部智介氏が選ばれた。賞の審査会で高く評価された医療機関の集約や住民の自助力を向上させるための巡回寺子屋、独自に作成した「いきかたノート(R)」などについて阿部智介氏に聞いた。(2023年8月21日オンラインインタビュー、計2回連載の1回目)

▼第2回はこちら(近日公開)

――「第10回やぶ医者大賞」にエントリーされた経緯を教えてください。

 佐賀大学医学部長の末岡栄三朗教授から推薦のお話をいただきました。その時は、一介の村医者である私がどうしてと思い、正直なところとても驚きました。その後、「やぶ医者大賞」で多くの受賞者を出している自治医科大学出身の医師から、「『やぶ医者大賞』は公的団体の他薦しか受け付けていません。そのため、エントリーする段階で、第三者が候補者の考えや行動を理解し評価するというプロセスが必要になります。だからエントリーすること自体が、そもそも簡単なことではありません」という話を聞きました。末岡先生が私の活動を見てくれていたのだと思うと、うれしい気持ちになりました。