記事一覧

てんかん:てんかん精通の薬剤師対応 都島に薬局オープン 大阪市立総合医療センターそば 複雑な服薬法、詳しく説明

てんかん:てんかん精通の薬剤師対応 都島に薬局オープン 大阪市立総合医療センターそば 複雑な服薬法、詳しく説明 /大阪

 てんかんに詳しい薬剤師をそろえた保険薬局が2日、大阪市都島区都島本通2の市立総合医療センターのすぐそばにオープンした。難治性のてんかんでは、さまざまな用途の薬を組み合わせたり、症状に応じて変更したりするなどの対応が必要。患者本人や家族も服用に慣れないため、診療時間内に十分な説明を受けられない現状がある。代わりに知識を持った薬剤師が対応することで医師、患者双方にメリットがあると期待されている。【高野聡】

 「nanacara(ナナカラ)薬局」。てんかん患者向けアプリ「ナナカラ」を開発したベンチャー企業「ノックオンザドア」(東京都港区)が運営する。開業に際してスタッフを募集し、理念に賛同する薬剤師2人を含む4人を採用した。

 てんかん治療薬は約30種あるとされ、先発品、後発品を区別すれば約60種にも及ぶ。これらを適切に組み合わせれば、日常的に発作を抑え、通常の生活が送れるが、それには患者の年齢や症状によって薬を変更したり、複数の薬を組み合わせたりする必要がある。また主治医が患者やその家族に薬の服用方法を説明しても、複雑でわかりにくく、診療時間に影響するという弊害があった。詳しい説明を薬剤師に任せられれば、より診療に時間が充てられる。

 採用されたスタッフは約2カ月間、てんかん専門医の講習会を受講したり、患者から聞き取りをしたりして、専門知識を蓄積した。薬局の統括責任者で薬剤師の中田紘史さん(47)は「今後も継続的にてんかん専門医らから知識を吸収していく」と話す。

 薬局はバギー型車椅子を使うてんかん患者やその家族が訪れやすいよう、スロープや多目的トイレを設けてバリアフリー化を実現した。また総合医療センターは遠隔地と結んだてんかんのオンライン診療も実施しており、必要な薬剤の発送業務もナナカラ薬局で対応する。