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レセプトは“金券”です【審査委員のホンネ】

衝撃を受けたベテラン審査委員の言葉
 私がレセプト審査を担当して間もない頃に、ベテラン審査委員の先輩がおっしゃった言葉があります。「レセプトは金券です。このレセプトが何万円、何十万円、何百万円の価値を持ちます。提出する側も審査する側も覚悟を持って取り扱う必要があります」。 私は、この言葉にかなりの衝撃を受けました。

 それまでは、レセプトを提出する側のことしか知りませんでした。「現場を知らない、現役を引退した頭の硬い爺さんたちが審査をしているのだろう」や「現場は忙しいのだから、少しくらい多めに見て修正なども認めてくれても良いのに」などと思っていたものです。

“現役バリバリ”の医師が審査委員の大多数
 しかし、実際に審査する側になってみると、予想に反し“現役バリバリ”の医師が審査委員の大多数を占めていました。取りまとめをなさる先生は、さすがにベテランの先生でしたが、知識のアップデートを継続されており、感心するとともに自分を恥いることも多かったです。

 私が審査を担当するレセプトは、1万2000~1万5000件/月ほどあります。事務職員も事前にチェックしてくださっていますが、それでも通常の勤務終了後や休日などを利用しながら審査を行っています。そのような状況ですので、安易な修正の受付をする余裕はありません。

 審査する側も真剣に取り組んでおりますので、提出する側も「少しくらいのことなら多めに見てほしい」などと考えずに、きちんとしたレセプトを提出していただきたいと思います。