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歯の健康づくりの司令塔に 大分県が「口腔保健支援センター」新設へ

県は新年度、県庁内に「県口腔(こうくう)保健支援センター」を新設し、県民の歯の健康に力を入れていく。大分は12歳の虫歯の数が全国で2番目に多く、20歳以上の定期的な歯科健診受診率も低水準にとどまっている。全世代に応じた対策を強化し、他の病気の誘発を防いで健康づくりにつなげたい考えだ。

 センターは県庁別館4階の健康づくり支援課に設ける。現在歯科医師1人が在籍しており、歯科衛生士1人を増やすことで国が定めた設立要件を満たす。歯科保健の人材を育成し、保健所や市町村への指導・助言の役割を担う。

 妊婦に歯周病があると早産や低体重児出産のリスクが高まるため、県内全ての歯科医院で適切な治療や健診を受けられるように研修会で徹底を図る。医療関係者向けの対応マニュアルも作成する。

 1歳前後の子どもの保護者向けには出前講座を企画し、早期の虫歯予防を意識付ける。事業所経営者の研修会も実施し、成人の歯科健診受診率を高めていく。

 県内の12歳の虫歯率(2021年度)は42・7%で、1人当たりの虫歯は1・2本。ともに沖縄に次いで多い。県の調査(16年度)では20歳以上の定期歯科健診受診率は26・5%で、目標の70%を大きく下回る。

 広瀬勝貞知事は10日の県議会本会議で「センターが核となって、市町村や歯科医師会、歯科衛生士会と連携し、全世代の歯の健康づくりを推進していく」と述べた。今吉次郎氏(自民)の一般質問に対する答弁。