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過食・高脂肪食摂取による肥満から誘発の肝疾患、発症制御因子を同定 京大ほか、研究成果は、「JCI Insight」にオンライン掲載

京都大学は1月18日、過食・高脂肪食摂取により誘導される脂肪毒性から、生体内でその時、産生される中鎖脂肪酸とGPR84受容体が肝機能保護に働くことをマウス実験によって明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院生命科学研究科の木村郁夫教授(東京農工大学大学院農学研究院特任教授)、大植隆司同助教、東京農工大学大学院農学府の野仲葉月大学院生(研究当時)、京都大学大学院薬学研究科大学の西田朱里院生らの研究グループによるもの。研究成果は、「JCI Insight」にオンライン掲載されている。

 肥満により誘発される脂肪肝である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率は、高いことが知られている。NAFLDには単純性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が含まれ、NASHは、炎症や線維化形成の進展により肝硬変や肝がんへと進行する。しかし、一部の脂肪肝からNASHに進展する機序は正確には知られておらず、これまでに有効な治療法は確立されていない。