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誤嚥性肺炎患者、入院24時間以内の食事再開...退院まで日数短縮

福島医大大学院医学研究科臨床疫学分野大学院研究生の片山皓太氏(35)は24日、65歳以上の誤嚥(ごえん)性肺炎の入院患者に対し、入院後24時間以内に口での食事を開始したところ、入院日数が短縮したとの研究結果を発表した。

 誤嚥性肺炎は食べ物を誤ってのみ込むことで発症し、高齢者の肺炎の約7割を占める。入院後は数日間、誤嚥を恐れて絶食状態になることが多い中、片山氏は患者の状態を考慮し、早く食事を取ることが早期退院につながることを示した。

 片山氏は、勤務経験がある白河厚生総合病院に入院した65歳以上の患者398人について、24時間以内に口での食事を始めた後の状況を調べた。その結果、食事再開までの時間(中央値)は29.8時間で、日本全体の医療データから判明した4日より短かった。また約3割の患者が24時間以内に食事を再開できた。

 急性期医療を担う白河厚生総合病院では9割の患者が口での食事が可能な状態で退院している。入院後24時間以内の食事開始によって入院日数は短縮したが、口での食事が可能なまま退院した患者の割合に変化はなかった。食事は患者ののみ込む力の状況によって固形物やピューレ状などさまざまだった。

 片山氏は、医師やリハビリなど多職種による患者への介入に力を入れている白河厚生総合病院の高田俊彦医師や宮下淳医師らと共同で研究した。