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「やぶ医者大賞」に丹波市と広島の医師 へき地医療への尽力たたえる

 へき地医療に尽力する医師をたたえる「第9回やぶ医者大賞」の審査会が25日、兵庫県養父市内であり、丹波市の兵庫県立丹波医療センターの見坂恒明さん(47)と、広島県尾道市にある百島診療所の次田展之さん(49)が選ばれた。

 同賞は、養父市が若手医師の育成や医療過疎地域の発展を目的に2014年に創設。能力の劣る医者を意味する「やぶ医者」の語源が、かつて同市にいた名医とする説にちなむ。今回は全国から7人の応募があり、市医師会の枚田一広会長ら医療関係者が審査した。

 丹波医療センターで地域医療教育センター長を務める見坂さんは、県内医師として初の受賞。住民と協力してホームステイ形式で医学部生の実習セミナーを開き、若手医師が自ら考えて診療することを主眼とした指導など、教育への熱心な取り組みが評価された。

 次田さんは、医師が不在だった百島(人口約400人、高齢化率66・9%)で11年に診療所を開設。小型船に加え、ヘリコプターを操縦し、近隣の離島へも訪問診療を続ける。地元の子どもたちが手作りしたかるた「みんなの百島」では、次田さん自身が「島の名医」として登場するなど住民に親しまれている。