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研修医が点滴誤投与、患者の血圧・心拍数上昇

医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(※)から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「薬剤を投与する前のダブルチェックを怠った」事例を取り上げます。
※出典:公益財団法人 日本医療評価機構の「医療事故情報収集等事業」
※事例は「研修医」のキーワードが含まれる事例から掲載。

【発生場所】
救急外来

【患者】
入院/20歳代(男性)

【疾患名】
アナフィラキシーショック

【当事者】
医師(1年)

【事故の内容】
 アナフィラキシー患者に観察室のベッドに臥床してもらい、研修医がポララミンを投与する予定がボスミンを誤って点滴投与した。

 看護師が点滴に貼ってある注射のラベルを確認すると、ポララミンであるはずがボスミンを投与したことを発見。

 直後、患者の血圧、心拍数が上昇。

 直ちに投与を中止し酸素投与、ポララミンをショットで投与し経過を見守ったところ、血圧、心拍数とも投与前の値に落ち着いた。

【事故の背景】
薬剤を投与する前のダブルチェックを怠った。
【改善策】
急ぐ場面であっても薬剤投与する前は必ずダブルチェックで確認する。