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運動不足で筋肉減少なぜ? タンパク3種関与、神戸大

運動しないと筋肉の量が減少するのは、細胞内のカルシウム濃度の低下が引き金となり、3種類のタンパク質の量が増減することで起こっていることを、神戸大の小川渉(おがわ・わたる)教授(糖尿病)らのチームが突き止め、米科学誌に15日発表した。小川教授は「筋肉の減少を抑制する治療薬開発につなげたい」と話している。

 チームは、動かないようギプスで固定するなどしたマウスの脚を特殊な顕微鏡で観察。細胞の外から中にカルシウムを取り込む入り口となるタンパク質「Piezo1」の量が減少し、細胞内のカルシウム濃度が低下することが分かった。

 さらにカルシウム濃度が下がると、免疫に関わる「インターロイキン6(IL6)」など2種類のタンパク質の量が増加。筋肉量を減らす働きをすることが分かった。

 IL6の働きを抑える物質をマウスに投与すると、脚を動かせないようにしても筋肉量は減らなかった。人でもこの3種類のタンパク質が筋肉量の減少に関わっており、これらを標的にした治療薬開発が期待できるという。