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歯科受診勧奨で指針作成‐薬剤師と歯科医が連携強化 栃木県薬剤師会

栃木県薬剤師会は、栃木県歯科医師会、千葉県薬剤師会と共同で「オーラルケア商品の購入者に対する歯科受診勧奨ガイドライン」を作成した。薬局で歯痛薬や歯槽膿漏薬などのオーラルケア商品を購入した顧客に、薬剤師が商品を使用しても症状が改善しない場合の歯科受診の目安を伝え、購入後のフォローアップを実施するために必要な情報をまとめたもの。歯科医師との連携を強化し症状悪化を未然に防ぐことは薬局の信頼度向上にもつながるとして、ガイドラインの活用を呼びかけている。

 ガイドラインは、薬局で販売する▽歯痛薬▽歯槽膿漏薬▽口内炎用薬▽口唇ヘルペス再発治療薬▽含嗽薬(うがい薬)▽口臭用薬▽とろみ剤▽亜鉛(サプリメント)▽歯周病ケア専用歯磨き粉▽洗口剤▽入れ歯安定剤――など医薬品を含む15種類のオーラルケア商品について、主な商品名や購入者の自覚症状を提示。症状や所見から考えられることや、薬剤師が歯科受診を勧奨する目安を分かりやすく示している。

 例えば、歯槽膿漏薬(塗り薬)では、商品を3日間使用しても症状が改善しない場合には、歯ぐきからの出血や歯ぐきの腫れは歯槽膿漏ではなく歯周病による可能性があるため、歯科受診を勧奨するとの目安を定めた。

 各商品の添付文書に「しばらく使用しても症状が良くならない場合は使用を中止」「5~6回使用しても症状が良くならない場合は使用を中止」との記載があることを根拠に、5~6回の使用には3日を要するとして受診勧奨の目安となる使用日数を設定した。

 その他、抗凝固薬や抗血小板薬の副作用で歯ぐきから出血したり、カルシウム拮抗薬などの副作用で歯肉が肥厚したりするケースもあるとして、処方医への相談や処方変更提案を行うなど、薬剤師が取るべき対応を示している。

 こうした受診勧奨の目安に加えて、▽受診勧奨に活用できる歯科医師への紹介状のひな形▽オーラルケア商品の継続使用に関する添付文書の記載一覧表▽副作用に歯肉肥厚や歯肉増殖がある医薬品の一覧表▽歯科疾患の基礎知識――などの資料を掲載した。