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北海道940人感染 推計…先月25日時点 厚労省対策班の教授

新型コロナウイルスの感染が広がる中、政府の感染症対策専門家会議が2日に開いた記者会見で、北海道内の感染者は2月25日時点で約940人に上るとの推計が示された。道庁は2日時点で77人(道内居住者75人)と発表している。

 記者会見に同席した、厚生労働省のクラスター(小規模な感染集団)対策班の一人、北海道大の西浦博教授(理論疫学)によると、25日までに、北海道を離れた後に感染が確認された人のデータや、道内の空港利用者数などから推計したという。

 また、感染症の中には、大多数の人々が感染して免疫を持てば、感染の連鎖が断ち切られ、広がりにくくなる「集団免疫」ができるものもある。1人の感染者が平均2人に感染させる場合、全体の半数が免疫を持った状態になると、流行が沈静化に向かうという。

 今の新型コロナウイルスは感染させる力が2人くらいだが、最も流行が広がっている地域でも数%も感染していないという。このため、現状はまだ集団免疫の効果を期待できる段階ではなく、流行を抑え込まないと相当数の重症者が出てしまうとして、クラスターを抑え込む対策の必要性を強調した。