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嚥下障害患者ら支援 県内初、とろみ付き飲料の自販機設置 浜松

嚥下(えんげ)機能が低下した患者や高齢者を支援しようと、とろみを付ける機能を搭載した新開発の飲料自動販売機が23日までに、浜松市中区の市リハビリテーション病院に県内で初めて設置された。コーヒーやココアなど7種をそろえ、飲み物の選択肢が限られる患者らの生活の質(QOL)向上を図る。

 とろみの濃さは3段階用意し、医療機関で使われている食物繊維由来のとろみ材と飲料を自動で混ぜて提供する。ホットやアイス、加糖も選択できる。誤嚥防止のため氷は入らない。

 自販機製造のアペックス(東京都)と嚥下食製造のニュートリー(三重県)が共同開発した。飲料の種類別に混ぜる回数や時間を自動制御する独自技術で、とろみの質を一定に維持できるという。

 自販機はこれまでに全国約40カ所に設置している。「家族など健康な人にも飲んでもらい、嚥下障害への理解を深めてもらえれば」と両社の担当者は述べる。23日に同病院内でコーヒーを購入した医師は「とろみが付いても味が損なわれていないため、おいしく飲める。自販機開発は良い取り組み」と話した。