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自分の体で内視鏡試す 堀内医師にイグノーベル賞

ユニークな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が13日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれた。座った姿勢での大腸内視鏡検査を自ら試し、苦痛が少ないことを実証した長野県の昭和伊南総合病院の堀内朗(ほりうち・あきら)内科診療部長兼消化器病センター長(57)が「医学教育賞」を受けた。

 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は12年連続。発表資料によると、授賞対象は「座って行う大腸内視鏡検査―自ら試して分かった教訓」と題した研究。大腸がん検査などで行われる内視鏡は、通常、横になった状態で肛門から管を入れる。堀内さんは苦痛を減らす方法を探して自らが患者役になり、座った姿勢で容易に挿入できたため、試行を重ねたという。2006年に自身の体験談や研究内容を発表した。

 授賞式で司会者が堀内さんの研究を紹介すると、会場は笑いの渦に。堀内さんは「ありがとう。受賞できて光栄です」とあいさつした後「私の(大腸内視鏡検査の)やり方をお見せしてもいいですか?」と壇上で内視鏡を見せ、再び笑いを誘った。

 このほか米国の研究者はジェットコースターで腎臓結石の排出を促す試みで医学賞を受賞。虐待的な上司への報復として呪術に使う人形を使用する効果を発見したカナダ、中国、シンガポール、米国の研究者が経済学賞を受けた。