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咀嚼の話≪胃腸の働きを促進≫

咀嚼での効能を頭文字で表した「ひみこの歯がいーぜ」
「ひ」肥満予防、「み」味覚の発達、「こ」言葉の発音が良くなる。
「の」脳の活性化、「は」」歯の病気予防、「が」がんの予防、に続き
今回は「い」胃腸の働きを助けるお話です。

唾液の成分は99%が水でできていて、残りの1%に
炭水化物を糖に分解する消化酵素「アミラーゼ」が含まれています。

咀嚼をすると唾液がたくさん出て、咀嚼回数が増加すると、
α-アミラーゼ(唾液アミラーゼ)による
糖の生成量も比例して増加します。
直接的な消化作用と同時に、消化管運動を高めて胃酸を分泌するための
間接的な消化作用(消化管から胃液、膵液、ホルモンの分泌)が
十分な咀嚼により促進されます。

唾液は食物を湿らせて一塊にして、嚥下の準備をします。
そして咀嚼して食物を粉砕し、嚥下や消化に適した性状に調整します。

咀嚼によって食物は胃腸への負担を軽減する状態で胃に運ばれます。
さらに、唾液アミラーゼの働きで胃酸の分泌を促し、
胃腸の働きを活発化させます。

消化管粘膜から分泌される消化管ホルモンなどの分泌は、
咀嚼をするほど促進されますが、快感が伴われる必要があります。
それは、食物の美味しさを感じることができるような
豊かな食経験です。

胃腸の活動を活発化させるためにはしっかりと咀嚼することに加えて、
美味しくて楽しい食事を摂ることが大切になってきます。

▼参考文献:日本補綴歯科学会「咬合・咀嚼が創る健康長寿」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g01fewu0bs4p7ze69n0kR
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