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高知県の病院で80代男性誤嚥死亡事故 町が損害賠償へ

高知県の町立病院で6月、入院中の80代の男性患者が、病院が提供した食事を誤嚥(ごえん)して窒息し、死亡していたことが分かった。町は過失を認めて遺族に損害賠償2544万円を支払うことを決め、11日開会した町議会9月定例会に関連議案を提出し、可決された。

 同病院によると、男性は誤嚥性肺炎のため、6月7日に入院。11日午後0時10分ごろ、病院2階の食堂で、昼食として出されたおかゆなどを食べて誤嚥。数分後、車いすに座ったままうなだれている男性に気付いた看護師らが吸引処置をしたが、死亡が確認されたという。

 男性は食事の際に介助が必要な状態だったが、看護師が目を離している間に、テーブルに配膳された食事を自分で引き寄せて食べたとみられる。食堂には男性を含めた入院患者3人と看護師1人がいたが、事故当時、看護師は別の病室に行っていたという。

 町長は9月1日付で、院長と看護師長に口頭で厳重注意処分を行った。病院では現在、介助者とは別に食堂全体を見守る看護師を朝昼晩の食事の際に配置するなどの対策を取っている。

 院長は「注意不足で重大な事故を起こしてしまい、ご遺族におわびしたい。再発防止に向けて人員の配置などを見直し、職員一丸となって対応を行っている」としている。