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「時間栄養学」

 生体のリズムを調整する体内時計の働きに着目した「時間栄養学」の考え方
が広まり、いつ何をどのように食べるのがより健康によいのかを調べる研究が
活発になっています。
 人間の体には1日約24.5時間のリズムを作る体内時計があり、体内時計を形
作っているのが数多くの時計遺伝子で、体内時計は体中のあらゆる細胞にあり
ます。実際の1日の長さは24時間ですからそのままだと毎日0.5時間ずつずれて
きます。これをリセットするのが朝の光であり、同じように食事も体内時計を
整える効果があることがわかっています。健康のために必ず毎日朝食をとるこ
とが必要なのはこのためで、朝食をとらない生活を続けると生活習慣病にかか
りやすくなるといった調査結果も出ています。
 3食の適正なカロリー比は「3:3:4」。朝食に比重を置くためにも遅い時間帯
の食事は禁物で、朝食と夕食は12時間以内に収めるのが目安とされています。
同じ量を食べても食べる時間帯次第で肥満を起こしたり、ダイエットにつなが
ることがあるとの実験結果も出ています。
 その他、体内時計のリズムを整えるためにはいつ行うのが効果的かを追究し
た学問に「時間運動学」「時間薬理学」等があり、広がりをみせています。