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骨粗鬆症の予防に牛乳摂取を推奨する?

m3.com意識調査「骨粗鬆症の一次予防介入はどうしている?」で、骨粗鬆症の予防に牛乳の摂取を推奨すべきかを尋ねたところ、「推奨すべき」とした回答は全体(673人)の30.8%で、最も多かったのは「患者による」の42.2%で、「推奨すべきでない」は8.5%にとどまった。推奨すべきの割合が最も高かった診療科は小児科(22人)で45.5%、逆に最も低かったのは腎・泌尿器科(35人)の8.6%だった。(小数点第2以下は四捨五入)

Q.骨粗鬆症の予防に、牛乳の摂取は推奨すべきと思いますか。(単一選択)

 牛乳について「骨粗鬆症の原因になる」とする情報を懸念する声もあるが、公益財団法人骨粗鬆症財団はホームページの中で「国内外の骨粗鬆症に関する専門家が集まる学会で『牛乳や乳製品が骨粗鬆症の原因になる』という報告は行われていません」などと説明している。

 一方で、医療従事者の間でも賛否は分かれる(『牛乳は本当にリスキーと言えるか』を参照)。そこでm3.com意識調査では、骨粗鬆症の予防に牛乳の摂取を推奨すべきかどうか尋ねた。

 回答割合を診療科別に見ると、整形外科(53人)と代謝・血液内科(23人)では推奨すべきとの意見がそれぞれ45.3%、43.5%と最も多かった。代謝・血液内科では、患者によるも同率だった。産婦人科(27人)では、患者によるとの答えが63.0%と最多だったほか、内科でも44.2%と最も多くの回答割合を占めた。


Q.「骨粗鬆症の予防に、牛乳の摂取は推奨すべきと思いますか」で選択した回答の理由を教えてください。(自由回答)

「推奨すべき」

牛乳内のカルシウムは重要【産婦人科開業医】
最も摂取吸収しやすいカルシウムと考えている【循環器科開業医】
日本人の場合、欧米人と比べて乳製品の接種は少ないとされ、Caは不足しがちと考えるから【内科開業医】
カルシウムの摂取量で比較した吸収率は、牛乳が1番【脳・神経科勤務医】
エビデンスと言うよりも、常識として答えました【代謝・血液内科勤務医】
安価で簡便にカルシウム、蛋白質の摂取が可能【整形外科開業医】
カルシウムの吸収効率がよく価格も安い。ただし、過量摂取については十分な啓蒙が必要【整形外科勤務医】
高齢になると腸管での吸収は減るが、ないよりはよい【整形外科勤務医】
「推奨すべきでない」

リン摂取によってカルシウム濃度が低下するから【循環器科開業医】
牛乳によるカルシウム摂取は不要な成分摂取による疾病発症につながる【腎・泌尿器科勤務医】
脂肪の増加につながり、その割には骨量や骨質の改善効果が少ないから【代謝・血液内科開業医】
「患者による」

骨粗鬆症の原因はカルシウムなどの無機質、ビタミン、栄養素だけとは限らぬため【産婦人科開業医】
乳癌のリスクの高い女性や乳糖不耐症の患者は避けるべきと考えます【循環器科勤務医】
運動をしなければカルシウムの吸収率は低下するため【内科開業医】
脂質異常症や牛乳アレルギーの人には勧められないため【内科開業医】
乳糖不耐症やアレルギーの患者もいる。そもそも牛乳自体のカロリーが高いため、過量摂取で成人病のリスクが上がる【内科勤務医】
カルシウム摂取に有効な食材であるが、高脂血症の助長の恐れのある場合、推奨できない場合もある【整形外科勤務医】
「分からない」

エビデンスがあるのでしょうか? 考慮して処方するべき【内科勤務医】
有用性について十分なエビデンスを持っていない【消化器科勤務医】
牛乳の必要性を感じたことがないので。ヨーグルトなどの乳製品は勧めている【外科系勤務医】
牛乳より効率よくカルシウムを摂取できる食品があるから【整形外科勤務医】