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 能力に応じた負担主流に 介護保険料見直し

介護保険を巡っては、高齢化で年々増大する給付費に対応するため、厚生労働省が年末にかけて負担の在り方の見直しや給付抑制を検討しており、大企業の従業員や公務員の負担が増える「総報酬割」の導入もその一環に当たる。

 政府の社会保障制度改革では「高齢者も現役世代も、収入があって可能な人には負担してもらう」という考え方が主流になりつつある。

 これを受け、今後の検討課題には65~74歳が介護サービスを利用したときの自己負担割合(原則1割)を2割とする対象者の拡大も挙がっている。利用料が高額になった場合に自己負担額に上限を設ける「高額介護サービス費」でも、一定以上の所得がある人の負担増を議論する。

 一方、給付抑制策では、訪問介護のうち掃除や調理などの「生活援助」サービスで、要介護度が低い人への給付縮小が検討されている。ただ、いずれも国民生活への影響が大きく、負担と給付のあるべき姿について丁寧な議論が不可欠だ。