記事一覧

65歳以上、4人に1人超す 高齢化、社会保障に影響 働く女性、増加は小幅 15年国勢調査の抽出速報

総務省が29日発表した2015年国勢調査の「1%抽出速報」によると、総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、1920年の調査開始以来最高の26・7%となり、初めて高齢者が4人に1人を超えた。前回の10年調査から3・7ポイント上昇した。15歳未満は0・5ポイント下がり、12・7%で最低を更新。少子高齢化が一段と進み、社会保障の財源確保や地域の維持に大きく影響しそうだ。

 働いていたり、職を探していたりする女性の割合(労働力率)は、ほとんどの年代で前回から上昇したものの小幅にとどまり、子育て世代は落ち込む「M字カーブ」は依然として残ったままだ。1人暮らしの世帯は過去最多となった。

 高齢化率は22・4%のイタリアや21・2%のドイツなどを引き離し、世界で最も高い水準。逆に15歳未満の割合は最低の水準となっている。

 都道府県別では、高齢化率は前回に比べ全都道府県で上昇。41道府県で25%を超え、うち12県は30%以上だった。最高は秋田の33・5%で、高知32・9%、島根32・6%と続いた。秋田は前回より4・0ポイント上昇した。四国4県はいずれも30%以上だった。

 25%を切ったのは埼玉、東京、神奈川、愛知、滋賀、沖縄の6都県。ただ全国最低の19・7%だった沖縄県でも65歳以上の人口が15歳未満を超えたことで、全都道府県で65歳以上が15歳未満より多くなった。

 女性の労働力率は49・8%で前回から0・2ポイント上昇。年代別で見ると、25~29歳は80・9%で、比較可能な50年調査以降で初めて80%を超えた。ただ出産や子育ての時期と重なる人が多いとみられる30~39歳は、前後の年代に比べて下がっているのが特徴だ。

 世帯人数は1人暮らしが32・5%で最多。若年層を中心に未婚者が多いことに加え、高齢者の単身世帯も増加傾向で、65歳以上では男性の8人に1人、女性の5人に1人が1人暮らしだった。